わたしと、ワタシと、それから私、みんなちがって、みんないい。
ゴンチチさんの世界の快適音楽セレクションで流された「月のレヴェル」を聴いて興味を持ったおおたえみりさん。
8月にリリースされた7曲入りのミニアルバム「ルネッサンス」を購入して聴きました。
パンクというかエキセントリックというか方向性がちっともわかりません。
まったくあたらしい才能、といううたい文句のとおり、変、なアルバムに仕上がっています。
全曲、本人の作詞作曲で、うち4曲は編曲も手掛けている能力者。
ちなみに2曲は小西康陽さんの編曲。
ぼく、ピチカートファイブ、好きなんですよね。
収録曲は次の7曲。
1 月のレヴェル
2 ぼっちはハイ
3 舟の人
4 踊り子
5 うでの毛
6 ルネッサンス
7 カーテン
ぼくがおおたえみりさんを知るきっかけになった「月のレヴェル」。
なにがなんだかわからないのに、聴けば聴くほど、味があります。
歌唱と楽曲の両方の魅力によってそうなるのでしょう。
詞がまた独特でいいのです。
小西康陽さん編曲の「うでの毛」はタイトルも歌詞もへんてこりんなのに、とってもおしゃれでとってもスウィートな感じになっていて、まさに小西さんのアレンジって感じ。
カラフルというかごちゃごちゃの曲たちで編まれたこのミニアルバムですが、コンセプトのひとつは三重構造だそうで、それを象徴しているのが、「踊り子」じゃないかと思います。
踊る私は、踊りながらひとびとを踊らせているけれども、踊る私も誰かに踊らされている。
踊るわたし、踊らせるワタシ、踊らされる私。
みんなちがって、みんないい。
そんな三重構造。
CDのブックレットの監修も彼女が担当していて、手書きの歌詞が、なんともシュール。
表情によっておとなにも少女にも見えるルックスも魅力的。
このミニアルバムよりも前に出ている曲たちには、彼女のピアノの弾き語りもあって、そちらもアコースティックで素敵なのです。
まだまだカテゴライズを拒否して自由すぎる発想で拡大膨張を続けるであろう若い才能に要注意です。
――ルネッサンス――
おおたえみり