スズメの自然 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

スズメって小さくてかわいいですね。


ちゅんちゅんちゅん、って鳴いちゃったりして。


けれども、仕事に出かける朝、駅までの道で見かけた光景は、かわいいだけではないスズメの姿を、ぼくに見せつけたのです。


いつものように自転車で駅まで向かっていると、人通りのない灰色のアスファルトの道路の前方をふたつの物体が横切りました。


空中に放物線を描くそれらの物体。


ふたつの物体のうち前方を動くのは、緑色の物体。


後方を動くのは茶色の物体。


茶色が緑色を追いかけているように見えます。


動体視力を凝らして、それらの物体を目で追うぼく。


すると、緑色の物体はバッタで、茶色の物体はスズメであることがわかりました。


バッタを追いかけるスズメの図。


けれどもお互いに飛ぶのはあまり上手じゃないので、すぐに着地しちゃう。


逃げるのがさして上手ではないバッタと、追うのがさして上手ではないスズメ。


まどろっこしくスズメがバッタを追いかけています。


バッタの羽ばたきと、スズメの羽ばたきが、まるでスローモーション再生のように目に映ります。


これまでに見たことのない、とてもめずらしい光景だったので、その追跡劇の結末を見届けたいと思ったものの、電車の時間も迫っていたため、途中であきらめました。


それにしても、あのかわいいスズメが結構おおきなバッタを捕食するために追いかけている様子に、自然を垣間見たのでした。


そしてぼくは想像するのです。


くちばしにバッタをくわえたかわいいスズメの姿を。


ああ、バッタだってスズメだってぼくだって生きているのです。