これはぼくのことではなくて
福田恆存さんのこと。
先日読み返したマクベスのほか
ぼくの手持ちではハムレットもリア王もヴェニスの商人も
福田恆存さんの訳。
でマクベスの巻末の
福田恆存さん自身による解題(解説)が熱くて熱くて
シェイクスピアへの愛を感じずにはいられなかった。
どんだけ好きやねん。
福田恆存さんは1912年(大正元年)生まれで
このマクベスの解題を書いたのは1961年(昭和31年)だから
49歳くらいのこと。
その時の解説はさすがに落ち着き払っているものの
そのなかで引用している24年前の自らによるマクベス論が熱いったらない。
49歳の24年前だから弱冠25歳くらいの筆によるもの。
24年後の福田恆存さん自身が述べているように
若さゆえか筆が走りすぎているきらいはあるものの
そこがまたLOVELOVELOVEで読んでいるこちらにも力が入る。
マクベスとハムレットの対比。
評論の先駆者であるブラッドレー教授への
尊敬と共感とそれゆえの批判。
300年以上未来の読者にこれほどまでに熱く語られる作品を世に残したシェイクスピアという作家はほんとうにしあわせ者だ。
もちろんそれを手軽に読むことができる現代のぼくも。