かっこいいなあ
マクベスさんよお。
アンタ相当なワルだね。
何回読んでもシビレルよ。
とはいうものの
マクベス以上にマクベス夫人の悪さったらない。
夫思いというか
弱気になりかけた夫をどんどんけしかけていく。
それにしても
フリーアンスは結局どうなっちゃったんだろう。
ところどころ唐突というか不整合というか
辻褄があっていないような部分もあるような気がするが
芝居のダイナミズムからいえばまったく問題がない。
っていうか
むしろ細かい整合性を合わせようとして失敗する例はいくらでもある。
シェイクスピアさんの戯曲は本当に言葉がいいなあ。
翻訳の力ももちろんあるんだろうけど
オリジナルの力強さが伝わってくる。
アフォリズム。
濃密な言語世界。
--きれいは穢(きた)ない、穢いはきれい。
--マクベスを倒すものはいないのだ、女の生み落とした者のなかには。
--マクベスは滅びはしない、あのバーナムの大森林がダンシネインの丘に攻めのぼって来ぬかぎりは。
魔女や幻影が狂言回しとしてよく効いている。
狂言回し
大好き。
声に出して読み上げたい戯曲。
一度でいいから舞台で読んでみたいなあ。
もちろん役柄はマクベスがいい。
--マクベス--
シェイクスピア
訳 福田恆存