どこで出会うかわからない。
幸福な想定外。
ふとしたきっかけで
乃木坂浪漫
というプログラムをみかけた。
乃木坂46のメンバーの一人が
小説の一節を朗読するっていう趣向。
そもそも朗読好きのぼくがこれを素通りするわけにはいかない。
中島敦さんの名人伝
中島敦さんの山月記
芥川龍之介さんの玄鶴山房
萩原朔太郎さんの青猫。
なかなかおもしろい。
っていうか相当好き。
極めつけは
安藤美雲さんが朗読した
太宰治さんの
ア、秋。
こ、これは。
読んだことがなかったがすごくいいじゃないか。
あとで全文(といっても超短編)を読んだが
引用されている箇所がとても詩的だった。
読み方も良かったに違いない。
だってぼくがぐっときたんだもの。
秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル。
とか
決シテ、ハカナキ態ニハ非ズ。
とか
これを書きこんだときは、私は大へん苦しかった。いつ書きこんだか、私は決して忘れない。けれども、今は言わない。
とか
太宰治さんらしいというからしくないというか
とにかく共感できる。
たまにこういう出会いというものがあるから
うろうろとアンテナを張っておくにしくはなし
ってことなんだよね。
――ア、秋――
太宰治