アスペルガー症候群 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

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学校や職場にいる“アス君”。

「問題児」「KY」扱いしていませんか?


でも、接し方一つでこんなに変わる!


--帯より

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この本

読んでよかったです。


小説メインのぼくが久しぶりに読んだ新書です。


目から鱗が落ちました。


なるほどね。


ちなみに帯の裏側はこうです。

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アスペルガー症候群に特徴的なサイン


□表情や体の動きが、ぎこちなくて不自然

□会話のキャッチボールができず、一方的に話す

□一人でいることを好み、他人に対する関心が乏しい

□人よりもモノに興味を示し、集めるのが好き

□言葉を文字通りに受け取り、冗談が通じない

□変化に対してパニックになりやすい

□興味のある分野には、驚くほど詳しい

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3番目なんかはぼくにもあてはまるなあ。


ここにあがっているのはほんの一例で

本文には


感情が言葉にならない

日常会話が苦手

同じ行動パターンに固執する

予定が狂うことが大きなストレスになる

整理整頓が苦手

ルールの矛盾に苛立つ

暗黙のルールが理解できない

自分なりの秩序が侵されることに耐えられない

複数のことが同時にできない

時間の管理が下手

気に入ったことには寝食を忘れてとことんのめりこむ

助けを求めるのが苦手

マネジメントが苦手

耳からの情報は理解しづらい


などの特徴も示されています。


読んでいるとふと

アスペルガー症候群について書かれている本であることを忘れ

対人スキルのハウトゥー本を読んでいるような気分になります。


程度の差こそあれ

ぼくにもあてはまることがいっぱい。


職場でコミュニケーションをとりづらいあの人やあの人の特徴にもよくあてはまります。


本にも書いてありますが

アスペルガー症候群

というのは+か-かではなく

自閉症スペクトラム(連続体)

(広汎性発達障害とも呼ばれる)

であり

ある一定の条件や数値で該当と非該当に区分できるものではないということです。


つまり誰でも要素は持っていて

あとは程度問題

っていうことですね。


ただし

社会的な支援をしていこうとすると

どこかで線を引いて認定を行わなければ病名もつけられないわけで

そういう意味での病名の付与はやむを得ずなされるということです。

(したがってグレーな認定もしばしばおこなわれるということでしょう。)


複数のおかずを食べるときにひとつひとつのおかずを順番に食べきっていく

っていうのもありましたが

ぼくなんてわりとそれで

異なるおかずの味が口の中で混ざるのが嫌だ

っていう理由も同じでした。


ぼくはこれをコース料理になぞらえて

上品な習慣と解釈することにしています。

料理はひとつひとつサーヴされるものだと。


感覚でもなんでも

情報量が多すぎると自分のなかで統制できない

っていう特徴は理解できます。


音楽を聴きながら読書とか無理です。


アスペルガー症候群の強みとしては


①高い言語能力がある

②優れた記憶力と豊富な知識がある

③視覚的処理能力が高い

④物への純粋な関心がある

⑤空想する能力がある

⑥秩序や規則を愛する

⑦強く揺るぎない信念をもつ

⑧持続する関心、情熱をもつ

⑨孤独や単調な生活に強い

⑩欲望や感情におぼれない


という点を著者はあげています。


強みの部分はあまりぼくにはあてはまらないなあ。

けれども憧れる部分ではあります。


今度は背表紙から引用します。

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こだわりが強く、対人関係が不器用なアスペルガー症候群。他人の気持ちや常識を理解しにくいため、突然失礼なことを言って、相手を面食らわせることも多い。子どもだけでなく、働き盛りの大人にも見られるが、自覚がないまま、生きづらさを抱えているケースがほとんど。日本でも激増し、深刻な問題となっているが、シリコンバレーでは一割の人が該当するとも。家庭や学校、職場でどう接したらいいのか?改善し、特性を活かすには?すべてを網羅した1冊。

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基本的には

著者はアスペルガー症候群に対してあたたかい視点で書いていると思われます。


1冊の本で何かを理解することは不可能ですが

いま人間に起こっていることが少し新しい視点でみられるようになったような気がします。


いろんな事件が起こったときに

しばしばとりあげられますが

その因果関係はよくわかりません。


というか

アスペルガー症候群

との診断自体もどこまで確立しているのだか。


ちなみに

このあたたかい著者がアスペルガー症候群タイプの人としてあげているのは

次のようなそうそうたる顔ぶれです。


ビル・ゲイツ

スティーブ・ジョブズ

フローベール

アインシュタイン

ウィトゲンシュタイン

イェイツ

トマス・ジェファソン

ダーウィン

キルケゴール

ジョージ・ルーカス

レオナルド・ダ・ヴィンチ

本居宣長

プルースト

チャーチル

アンデルセン


ふう

まだまだあがっていますがきりがないのでこのへんで。




--アスペルガー症候群--

岡田尊司