朝日のまぶしさに目を覚ます。
雲ひとつない青空にさんさんと輝く白い太陽。
太陽は白に違いない。
太陽は赤ではない。
太陽を絵に描くと赤い色で塗りがちなのはなぜだろう。
夕焼けでもないのに。
太陽は光か炎か。
あまりにも視界を遮るものがないので太陽を直視したい衝動に駆られて目を向ける。
けれどももちろん1秒たりとも太陽を視界に留めることはできない。
くだんの金環日蝕のときにも直接みないようにしましょう。
金環日蝕の観察は丸い穴をあけた板などに光を通して壁や地面に映った影をみましょう。
するとみるみる不思議な形状にその影が変化するのです。
およそ直接みてはいけないものは太陽に限らない。
直接みたくてもみられないものといえばプラトンさんの洞窟の比喩。
イデアの影。
イデアの似姿。
そしてイデアへの憧れ。
現世のイデアの影をみることによって天上のイデアを想起する。
はじめて知るのではない。
思い出すのだ。
魂を捕らえる肉体。
肉体の束縛からの魂の解放。
魂と肉体の二元論。
滅びる肉体。
不滅の魂。
輪廻転生。
繰り返す生と死。
二元論はナンセンスであり魂と肉体は不可分の存在であるがプラトンさんがこんなことを主張したくなる気持ちもよくわかる。
わけたほうが楽だからね。
さらに最近では魂は忘れ去られ脳にその立場を奪われているようでもある。
魂はどんどん薄っぺらくて貧しい場所に落とし込まれていく。
ところで愛知ってすごい県名だ。
いつの時代からある名前なんだろう。
知を愛する。
哲学者。
philosopher.
愛知県民はこのことを意識しているのだろうか。
脳といえば水槽の脳なんていう思考実験もあるらしい。
これってまんまマトリックスじゃん。
思考実験なんて現実に目を背ける暇人のお遊びだって非難されるけど暇人のお遊びでいいじゃん。
思考実験大好き。
こんなことを考えながらのろのろと布団から這い出る。