うろんな客 | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

原題は

The Doubtful Guest


普通なら

疑わしい客

せいぜい

怪しい客

ですよね。


それを

うろんな客

とは。


訳者である

柴田元幸さんの腕ですね。


うろんな客

っていうタイトルだからこそ

この本の雰囲気が伝わります。


ところで

うろん

ってなに?


ただいま

マイ・ゴーリー・キャンペーン実施中です。


ゴーリーおしです。


あやしげな客とは

カギ鼻頭の珍妙な生き物。


アリクイ?


その生き物が

風の強い冬の夜に

ヴィクトリア朝の館に住む

一家の生活に

突然入り込んできて。


この生き物が

○○の暗喩であると

知りながら読んでも

知らずに読んでも

不気味なのに

どうにもこうにもかわいらしい。


ぶきかわ。


韻を踏む原文の味を活かそうと

柴田元幸さんが選んだ手法は

短歌形式。


たとえば

It was subject to fits of bewildering wrath,

During which it would hide all the towels from the bath.

ともすれば 訳のわからぬ むかっ腹

風呂のタオルを 一切隠蔽

なんて。


ギャシュリークラムのちびっ子たち

よりも毒が少なめで

初心者にはこちらの方が

とっつきやすいかも。


独特のモノクロ線描が

見たことのない語彙の組み合わせの文章と

絶妙にマッチしていて

ふふふ

ってなるおとなの絵本なのだ。




-うろんな客-

エドワード・ゴーリー 文・絵

柴田 元幸 訳