意外性の1編でした。
去年の夏に読み始めた
坂口安吾さんの
桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
(岩波文庫)
最初に
桜の森の満開の下
と
夜長姫と耳男
を読んで
それから最初の
風博士
に戻って
そこから順番に読んできた
最後の作品。
アンゴウ
の前は
青鬼の褌を洗う女
で
それまでの作品の雰囲気からすると
似ているようにみえて
実は異質な話で
うれしい予想外の展開でした。
こういう作品も書くんですね。
空襲時から
戦後にかけての話です。
男女の愛憎のような形で
疑心暗鬼のなか
サスペンス的に謎解きが進められます。
空襲でたくさんの蔵書を失った男が
出会った懐かしい本。
そしてその本に挟まれていた
数字の書かれた紙。
30ページ程度の作品でしたが
おもしろくていい話でした。
この短篇集
最初の方は慣れていなかったので
不思議な感覚が先行して
理解が着いていきませんでしたが
読み進むにつれて
興味深くなってきました。
坂口安吾さんの世界に
魅せられた感じ。
またいずれ
もう一度読み返してみたいです。
-アンゴウ-
坂口安吾