冒険小説なのに
小説のつくりは冒険してなくて王道。
正統派です。
今からみれば
ですけど。
発行当時は斬新だったのかもしれません。
少年時代に読んでいなかったのですが
今読むと実にドキドキワクワク
うまい流れで楽しませてもらえました。
しかも安心して。
中学生くらいまでの子どもたちばかりなのに
実に真っ当で立派です。
ぼくが同じ歳くらいの頃なら
間違いなく生き残れていません。
(東大寺とか灘の子だと
このくらいのレベルなのかな?)
ブリアンと弟のジャック
ゴードン
ドノバン
モーコー
くらいはよく分かるんですが
ほかの子どもたちは
正直最後までこんがらかっていました。
まあそれでも問題なしですが。
凧の場面での
ジャックの告白のシーンは
そうくるだろうと分かっていても
泣けてきました。
なんてよくできた子どもたちなんだ。
困難に直面したときの
勤勉
勇気
思慮
熱心
そして
献身
の大切さ。
ストレートなメッセージを体現する子どもたち。
少年もの好きにはたまらない作品ではないでしょうか。
――十五少年漂流記――
作 ジュール・ヴェルヌ
訳 波多野完治