花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
小野小町
儚くて美しいですよね。
美女ならではの悩みでしょうか。
ぼくにもこういう時期がありました。
悩んでいるようにみえて
こうやってしっかりと
後世に残る歌に仕上げているあたり
きっちりと計算されていますね。
ふるながめ=降る長雨
=経る眺め
この掛詞も巧みでステキ。
現代の日本女性は
そうやすやすとは
色あせないように思われますが
僅かながらも衰えゆく自らの美貌を
こんなふうに桜に喩えながら
眺められると
さらに儚い美しさが
際立つのではないでしょうか。
この歌はおそらく
日本人の好きな小倉百人一首ベスト10
に入っているでしょうね。