副題は
正義と常識に冷や水を浴びせる13章
去年の夏に購入して
読み出しからあまりにも面白かったので
もしもの時のために
読まずにおいておいた1冊です。
13章のどこをとっても
興味深くて楽しくて
鉄板です。
ロシア語同時通訳者として
数々の現場に立ち会ってきた
米原万里さん独特の視点から
繰り出される
エピソードの数々は
まさに目から鱗が落ちまくりの
内容です。
机上の学問では
決してこの語り口は生まれないでしょう。
同時通訳という職業柄
言葉を的確に端的に
言い換える能力が鍛えられているせいか
文章が実に分かりやすく
あいまいさが残っていません。
それに知識量も相当豊富です。
よく勉強されています。
なにしろ
同時通訳の仕事は
あらゆる専門分野に及びますから。
下ネタですら
普遍的でアカデミックな感じです。
どの章もとても
興味深くてためになります。
笑える話から
深くうなづく話
泣ける話。
ロシア団体ツアーでの
社長とオペラの話なんて
ジーンと来ました。
いろんな話ですが
どれも考えさせられます。
人に話したくなります。
自分や世界を
離れたところから見たくなります。
読んでいてものすごく頼りになる
女性だなと感心させられました。
日本にはこんな世界レベルの
ものの見方ができる人物がいたんだと。
米原万里さんの
師匠である徳永晴美さんの解説は
この1冊の内容を
見事にあらわしています。
-魔女の1ダース-
米原万里