昨夜
下巻を読み終えました。
結局
9月の下旬から読み始め
上中下の3巻で
3ヶ月弱かかってしまいました。
ブログの方も
もはや
本・読書のカテゴリを返上しなければ
いけないくらい
本の記事から遠ざかってしまいました。
さすが文豪。
次から次へと
鋭い人間洞察から生まれる
名文があらわれます。
宗教と科学のせめぎあいが
厳しくなり始めた時代の
混迷する世相を反映して
いろんな立場の考え方が
それぞれに説得力をもって
語られていました。
ぼくが思うに
決して思想や哲学の書ではないので
物語として読者に楽しみを与える
仕組みになっています。
エンターテインメントの要素も
ばっちりです。
ドストエフスキーさんの立場は
ヒューマニズムというか
人間愛だとは思うんですが
その枠に囚われず
多様な考え方が
ちりばめられていて
世界を構成する要素が
よく見えるような気がしました。
印象的だったのは
アリョーシャが
イワンにかけたことば
イワンとスメルジャコフとの対峙
イワンの悪夢のシーンなんかは
サイコ・サスペンスでした。
裁判の場面では
スリリングなことばの応酬と
複雑な人間心理の揺れ動きの表現が
見事でした。
それにしても
裁判というのは恐ろしいです。
無から有をつくりあげる
魔力があります。
裁判員になんて
なるもんじゃないなあ
と正直に思います。
まあ
善悪の見極めという
厳しい判断を経験することで
民主社会が
成熟していくのかもしれませんが。
うーん。
なんか頑張って3ヶ月も読んだわりには
感想がうまく書けないな。
解説はまだ読んでいないので
それを読むと
もう少し何かがみえるように
なるかもしれません。
-カラマーゾフの兄弟(下)-
フョードル・ドストエフスキー
訳 原卓也