中巻を
今しがた
読み終えました。
やっぱり
時間をつくって
まとめて読むべきですね。
だらだらと細切れで読んでいるより
まとめて集中的に読むほうが
面白さが断然アップします。
中巻は
上巻の続きの
第二部 第五編 プロとコントラ
から
第三部 第九編 予審
まで。
ゾシマ長老について描かれたところは
単なる神への賛美だけではなく
人間であるところのゾシマ長老が
魅力的で
神と人との関連についての一面を
示していました。
こういう人から人生についての
影響を受けることができる若者は
羨ましいなと思えました。
アリョーシャの苦悩と開眼の描写も
熱かったです。
若さゆえです。
そして決定的な事件が遂に。
スリリングです。
罪と罰
もそうでしたが
人間存在の本質へ迫る文学であるとともに
ミステリーやサスペンスの作品としても
楽しませてくれるところに
作者の力量とサービス精神を感じます。
読書は作者の価値観の押し付けではなく
やはり楽しめるものであってほしいですよね。
もちろん楽しみにもいろんな種類がありますが。
ミーチャ
上巻のときはあまりの破天荒ぶりに
非現実的な感じがして
あまり好きな人物ではありませんでしたが
事件が起こってから
破天荒ぶりは相変わらずですが
なんだか憎めない存在になっています。
熱いです。
身近にはいてほしくないけど
作中の人物としては魅力的です。
とにかく
カラマーゾフ家の人々の
熱さといったら凄いです。
静かなタイプも激しいタイプもありますが
いずれも情熱的です。
上巻の感想にも書きましたが
長い物語の中のそれぞれの編が
それだけでも十分に物語としての力を持っていますので
やっぱり傑作だと思います。
また
ぼくもそれなりに21世紀の人生経験を積んできているので
130年前のこの作品に価値観あるいは世界観を
揺さぶられるまでは行きませんが
若い人がこれを読めば
まさに見える世界が一気に広がる(近づく?)んだろうなと
思います。
かなりの読書好きでないと
10代でこれを読むのは難しいと思うけど
やっぱり読むべきですね。
余談ですが
脇役のラキーチンが
現代的な人物のような感じがして
打算的で哀しく素直になれない
タイプですが
そういうところがむしろ
自分に似ているようで
気になります。
ラキーチンは
アリョーシャみたいに真っ直ぐな情熱に
憧れているのにそれができないんでしょうね。
現代的です。
ちなみに事件の犯人は
あの人かあの人のどちらかだと思いますが
どうでしょう?
動機も含めて考えないとね。
さあて
下巻は集中して読むことができるかな?
-カラマーゾフの兄弟(中)-
フョードル・ドストエフスキー
訳 原卓也