乳と卵 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

実は読んでいませんでした。


文庫化を機に購入。


やっぱりぼく好みです。


最後の夜の

感情の修羅場の切ない緊迫感は

泣けました。


小道具が利いています。

卵とか花火とか電子辞書とか。


親と喋らない思春期の娘なんて

らしい感じです。

ぼくにも身に覚えがあります。

ノートは使いませんでしたが。


おとなの疲労と

こどもの不安。


お互いに大切な存在でありながらも

不器用な母と娘。


そんなものを感じました。


相変わらずの

読点の連続による

句点の省略は

しっくりきました。


好き嫌いは分かれるでしょうが

口語的で途切れない脳内の思考を

思わせる筆致が読みやすいです。



-乳と卵-

川上未映子