夜にはずっと深い夜を | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

久しぶりに読み返しました。


一篇一篇の主人公が絡みあう

サイコな連作短篇集です。


寝苦しい夏の夜に最適です。


基本的に独り言(独り妄想)の形式で

物語が進みます。


タイトルは

シズカの真夜中ぶつぶつ

のなかのフレーズです。


一日がずっと夜だったらいいのに。

そしたらずっと真っ暗。

でも夜にはずっとずっと深い夜をください。


鳥居みゆきさんらしい世界観が

ソフトに不気味で不条理です。


でもなんとなく

繊細すぎる精神の持ち主たちの

狂気然とした思考には

美しさも感じました。


本物の作家との比較は

この際

野暮ということで

それでもなかなかユニークな表現で

楽しめます。


ちょっと涼しい気持ちにもなれますし。


ぜひともコントで自演していただきたい。


本の装丁や挿絵も魅力的です。



-夜にはずっと深い夜を-

鳥居みゆき