クリトーン | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

クリトーンっていうのは

ソークラテースの親しい友人。


裁判で有罪となり

死刑を宣告されたソークラテース。

(「ソークラテースの弁明」を参照)


紀元前399年で70歳くらいのこと。


ちなみに孔子は

紀元前479年に72歳くらいで死亡

ですから80年くらい孔子の方が先輩です。


クリトーンは自らの資産をなげうって

投獄中のソークラテースを

国外に脱走させようとします。


しかしソークラテースは

相変わらずの対話法で

クリトーンを諦めさせます。


ソークラテースと

クリトーンのやりとりが

実にスリリングです。


ソークラテースは

自分の考えにあくまでも殉じようと

それまでの説を曲げません。


ただ生きるのではなく

よく生きることが大切


不正な目にあっても

不正な仕返しをすることは

許されない


多くの無知な大衆の評価よりも

一人の専門家の評価にこそ

こころ砕かねばならない


現在でも大切にしたい

考え方の数々。


今を生きるぼくたちには

滑稽なくらい純朴に過ぎるところも

多々ありますが

それでもやっぱり

2400年の時を経て

この偏屈じいさんの話に

耳を傾けたくなります。



-クリトーン-

プラトーン

田中美知太郎 訳