きらめく星座-昭和オデオン堂物語- | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

戯曲です。


真珠湾攻撃をする直前の

数年間の

東京の

あるレコード店を

舞台にしています。


やさしくて

ユーモアのある

家族と

その同居人が

織りなす

物語です。


声高に戦争を批判するのではなく

井上ひさしさんらしく

普通の家族のやりとりを

ユーモラスに

描きながら


じわじわと

戦争の不条理

戦争の非人間性

組織の横暴

が伝わってきます。


戦争って

こんな風に

始まっていくんだなあ


普通の人たちは

こんな風に

戦争に巻き込まれて

いくんだなあ


ということが

分かります。


戦争って

あるとき

突然

一部の指導者が

始めるものじゃないんですよね。


戦争なんて

絶対に

したくないなあ


と今思っている人でも

いつの間にか

自然に

戦争を

肯定するようになっていきます。


普通の市民は

愛する家族を守るために

戦争に加担していくことになりますが


オデオン堂のみなさんは

難しい理屈抜きで

あるべき人間の姿を

守っていきます。


戦争だけじゃないかもしれません。

全ての人間性を脅かすものたちから

いかに人間性を守っていけるか

っていうことが

問われているのかもしれません。


井上ひさしさんの


むずかしいことをやさしく

やさしいことをふかく

ふかいことをゆかいに

ゆかいなことをまじめに


っていうモットーは

この作品にもしっかりと

焼付けられています。



-きらめく星座-昭和オデオン堂物語--

井上ひさし