今のこの夜は誰のものだろうか
いつの月なんだろうか
日は徐々に長くなっていく
冬に近づく日々を重ねるほどに
ひたひたと月の元を歩く
冬の空を思い出す
風はいつの間にか冷たさを含み
肌寒い空へ変わる
秋だ
もういつの間にか秋なのだ
季節はいつの間にか変わって
過ごしやすいと呼んでいた季節は風に吹かれ、
秋がもう空を包んでる
遠い季節を歩く
さよなら、空
同じ空だけど、見えているのは
その瞬間瞬間違う違う空なのだ
嗚呼、五月雨式に心に落ちてくる切なさのしずく
秋は切なさの降る季節だ
僕らは繊細な気持ちの中を
目を覆って歩いているのだ
見えないふりをしているのか
見ないふりをしているのか
見えていないだけなのか
心が求めているのは何だろうか
切なさの降る秋
さよなら、空
別れのさよなら
嗚呼、秋を憂う夜
月はただ空に漂う