あなたの顔が見えない
あなたの声が聞こえない
あなたに思いを伝えたい
目が見えず、耳が聞こえず、
そして、しゃべることも困難だ
こうやって自分の心の中で響かせるだけの存在
つまりは世の中は闇なわけなんだ
この船に乗っていることさえもわからない
でも、この肌で感じる感触はきっと風
きっと僕はこの船に乗っているのだ
カレスは僕の背中に指で字を描く
「サムイカイ?」
僕はすぐにカレスの一部を探す
そして、僕はカレスよりも下手な字で描く
「ダイジョウブ、アリガトウ」
こういう生活を何年もしているけど、
全然不自由だと感じることはない
でも、人は僕の背中にかわいそうだとか、
悲観的な思いしか描いてくれない
たまにカレスも僕に描くんだ
「ハヤクセカイガアカルクナレバイイネ」
なんのためにこの船に乗っているのかもわからなくなってしまった
でも、確実に言えることは僕はどこに行っても闇のまま
理由も希望もこの闇の中でしか見出せない
理由も希望もカレスのよく食べているリンゴのタルトも
何もかも全て闇の中でしか今のところ見つけられない
僕は描くしかできないから
だから、今日も感じたままに描く
闇の中で描く
黒の絵の具で黒の紙の上を
夢想旅団は今日はどの空を泳いでいるんだい?
早く僕もその世界を見たいよ
神様はどうして僕はこんな風になってしまったんだい?なんて問いには答えず、
どこまでも答えを見つけるように宿題を出し続けるんだ
黒板の上に何回も何回も
カレスがまた背中に描いている
「ダイジョウブダヨ、ボクハソバニイルカラ」