オレはいつでもこの時間が好きだ
この時間は太陽がそろそろ顔を出す時間だからだ
まだオレが地上で生活をしていた頃、
オレは仕事柄このぐらいの時間に起きていた
目覚めと共に太陽のまぶしい光がゆっくりと体を暖めてくれた
しかし、この夢想旅団の船での生活が始まってからは
生活がガラリと変わってしまった
このぐらいの時間はみんな寝ているのだ
この時間に目覚めるオレはいつも一人なんだ
一人、目が覚め、一人、窓から外の様子を眺めている
みんなが酒をあおっている夜中の時間は
すでにオレはもうベッドの中だ
みんなとは昼の時間帯だけ顔を合わせるのだ
しかし、この船には掟があり、
常にこの船の灯りが消えないように
常に灯りの見張りとして誰かが起きている
もちろん、例に漏れずオレもその見張りの番が回ってきた
オレの見張りの時間はこの朝方の時間によく来るのだ
そして、今日もこうして見張りをしているが、
もちろん、この時間は誰も起きていない
むしろ、見張りじゃなければ、この時間はみんな寝ているんだろう
真夜中にこうして一人でいることは寂しいが、
太陽に会えると思うと、オレはこの時間は苦にはならない
オレは2つの火を見つめている
太陽はまだ顔を見せないみたいだ
太陽、今日はどんな顔でオレに会いに来る?
お前はいつも耐えないその笑顔は昔から好きだった
この船に乗ってからはオレの方がお前の頭の上にいることが多いけど
さあ、あともう少しだ
太陽はもう手を伸ばせば届くだろう