夢想旅団は雨降る夜も空を漂い続けるのです
それは、決して泊まる場所を知らないからではないのです
こんな夜も旅を続けたいと願うからです
夢想旅団の船は雲のさらに上に今日も漂っています
ほら、あのキラキラと光る、あれが船です
キラキラと光っているのは、船の灯りなのです
夢想旅団には灯りを交代で見張る当番がいます
それは4時間ごとに交代で見張るんですが、
今日は雨が降っていて、見張りの乗組員も寒さで凍えていますが、
灯りを絶やすことは決して許されないのです
乗組員はその灯りを希望として胸にその温度を焦がしているのです
だから、決して絶やしてはいけないと誓っているのです
その火が消えてしまうことはこの船に乗っている意味も
一緒に消えてしまうことと同じなのだから
夢想旅団の乗組員は交代で今日も見張っているんです
船長や舵取り、一番下っ端の乗組員など関係なく、
その見張りは船に乗る全ての乗組員の仕事です
ある乗組員が言いました
「この火は自分自身だ
少しの隙間からも風は入ってくる
火を消すことも、消えてしまうことも容易いことなのだ
しかし、いつまでもその火を灯し続けることは
難しいことだが、簡単なことなのだ
火を消してしまうものは、見張りの仕方を忘れてしまうものか、
うたた寝をしてしまうもののどちらかだ」
今日も乗組員は船の灯りを見張っています
そして、こんな夜だからこそ、その灯りは輝きがいっそう綺麗に見えて仕方がないのです