パーキンソン病の症状に不随意運動というのがある。同じカテゴリーに属する病気にハンチントン舞踏病というのがある。舞踏病は良く知らないが、踊るんだから踊りの様な格好をするのかな、と何となくイメージで思い、その延長でパーキンソン病の不随意運動も何か踊りの一部の振り付けを自動的にやるようなものかなと思っていた。なってみて大違い。よく教科書を読めば教科書に書いてある通りなのだが、勝手に自分のイメージを持っていた。通常これらの症状をパーキンソン病ではジスキネジアと呼ぶことが多いらしいが、緊張してドーパミンが効き過ぎると過剰なドーパミンによってこの症状が出てくるようだ。僕が良く出るのは、お医者さんの診察日。外来で待っていると周りの患者さんが皆自分よりも上手にコントロールされているように思える。およそ医者とは思えない発想だが、受け持ち医の前ではいいところを見せなければと頑張るらしく、ジスキネジアが出て僕の体は座っている椅子から右横に寝る方向に強い抗い難いジスキネジアに見舞われて、座ったままの状態で右横に倒れてしまう。一回や二回は抵抗するのにやぶさかではないが、相手は執拗なのでいつかはやられてしまう。段々落ち着いてきてジスキネジアが収まったころ、先生に呼ばれる。という具合である。学会の発表などでも、そのような傾向があるが学生の講義では幸いリラックスしてできるのか、ジスキネジアはあまり出ないようだ。これは良かったなと思っている。