パーキンソン病も15年くらい経つと、慢性期ではないかと思う。実際、同じすくみ足でも症状の機序が違う気がする。昔は、確かに筋肉が動かないという気がしたが、今は、そういう時もあるがそれとは別に足の血管に上から圧力をかけて静脈血やリンパ液が溜まってうっ滞している。そのため重くて足が動かない。そういう感じがするのである。これは本当にこの時静脈に圧がかかっているかどうかは定かではない。たとえ静脈がパンパンに張ろうが、足の筋の力の方が強いはずなので、足の筋が動かせなくなるほどの圧が本当にかかるかどうか疑問である。この後半のものは、これまでの教科書や専門書によると、自律神経の機序によるすくみ足なのだろう。これまでの筋肉のメカニズムだけのすくみ足ならピョンピョン飛んで方向転換もできたのだが、この仮に自律神経によるとするすくみ足では、飛ぶことなんか全くできない気がする。ただ、これで自律神経の薬を処方してもらえばいいかというと、それはそれで今10種類くらい飲んでいる薬がさらに多くなり、かつ飲む量の調節が難しく、副作用が複雑多岐にわたり良いことはないような気がする。そこでできるだけシンプルに、症状の違いによって最初の薬の量や割合を変えてみて、まあ我慢できるところを探している。これまではそれで何とかなっていた。だからメネシットもあまり増えずに済んできた。今後どうなるだろうか。若干不安である。なるようにしかならないのであるが。そのためか、本の記述もこのあたりから突然力を失ってくる。そうすると羅針盤がなくなった小舟のように患者はなってしまうのだ。今回は迷える子羊です。