祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり、沙羅雙樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。
驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。
猛き人も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。

 この名文は言わずと知れた『平家物語』の始まりの部分です。
一時代の繁栄を極めた平家一門の栄華とその没落、そして滅亡を描き、仏教に於けるところの
因果応報観、無常観を基調とし、調子のよい和漢混淆文に対話や和歌を交えた大叙事詩です。
 中身は平清盛の累進、全盛期から壇ノ浦で滅亡するまでの物語が中心ですが、これに歴史的
な重大事件をからませ、合戦記・恋愛・風流物語などが織りなされており全13巻と読み応え有り
過ぎですが・・・興味の有る方は如何でしょうか。
 
 また、近年ではかの吉川英治の『新平家物語』と言う作品がありますね。
何れにしても「盛者は必ず衰え、そして諸行は常に無常」と言う仏教思想が根底に有ります。
「上は玉の簾の中までも、風閑なる家もなく、下は賤が伏屋の内までも、塵治まれる宿もなし。
 枕を雙べし妹背も、雲居の餘所にぞなり果つる。
 養ひ立てし親子も、行方知らず別れけり。
 これは、入道相国、上は一人をも恐れず、下は万民をも顧みず、死罪流刑、解官停任、思う様
 に常に行はれしが致す処なり。
 されば、祖父の善悪は、必ず子孫に及ぶと云う事は、疑いなしとぞ見える」

 お好きな方はドウゾ・・・