何故、毎回検査をするのか!?
「これ、嫌いなんです」
と仰る患者さん、多いです。まぁ、検査が好きな人は少ないと思います。
「これ、前回もやりましたけど」
も多いです。が、前回と同じかどうか、検査してみないとわからないです。
でも、眼科って、恐らく、日本全国、全世界で、「検査は毎回」だと思います。
何故か
それは、
眼科で処方する点眼薬は、処方箋ナシで買える市販薬とは成分が違うんです(CMで同じです~って言ってますけど、同じじゃないです)。
まず、眼圧。風が出て来るヤツ。
これは、眼の内部の圧力を計っていて、これが高い人は発作を起こしてしまう可能性があるので、使える目薬が限られます。
また、前回処方した点眼薬が効いているのかどうか、眼圧が下がったかどうか、確認が大事です。
つぎ、視力。上~とか左~とか答えるヤツ。
例えば、視力も計らずに点眼薬を出して
「この目薬つけたら視力が下がった!!プンプン!」
となった場合、前回の視力や屈折がわからなければ、本当に目薬のせいで視力が出なくなってしまったのか、あるいは前回は、眼が痒くてゴリゴリこすりまくって傷だらけ曇りまくり、の状態で視力が出ていなかったのに、むしろ今回は少し視力が改善していたとしても、それを証明する事が出来ません。
まぁ、他にも検査をする理由はありますが、とにかく、眼、というのは、非常に繊細です。大事な組織です。
なので、眼圧や視力、あるいは眼底写真をみて
「前回と比べてどうなのか」
を院長は確認したいわけなんです。
他の診療科と違って、眼科は必ず視能訓練士による検査があるので、疑問に思われる患者さんも多いです。
でも、例えば内科でも、医師が血圧を測ったり聴診器で肺の音を聴いていますが、それだって、実は検査です。
「薬をもらいたいだけなのに、どうして検査なんかしなくちゃならないんだ!」
と仰る患者さんもおられますが、外部情報を得る最大の機能であり、かつ繊細な組織に対して、まったく検査・確認もせずに、診療したり処方薬を出したりする事など、むしろ、あってはならない医療行為だと考えております。