夜明け前の東京湾奥シーバス | M.Takashimaのつぶやきブログ

夜明け前の東京湾奥シーバス

朝から予定があるので夜明け前に少しだけ出撃してきた先週末。

睡眠時間を削る以外、竿を振る時間を作れないから仕方はないが、かなり眠い。

ササっと着替えを済ませ、竿を片手に家を出る瞬間、家の鍵がない事に気付き、鍵を探しだすことに。

30分近く足止めをくらった。

結論からすると、鍵は靴を履く直前まで履いていたスリッパの下敷きになっていた。

鍵を手に持って玄関まで来た事を寝ぼけていたせいで覚えておらず、スリッパを脱ぎ、靴を履いた時には部屋の中に鍵を忘れたと勘違いし、再び靴を脱ぎ、今度はスリッパを履かずに部屋中を探し始めた事が、思わぬタイムロスを生んだ。

まるで、オデコに眼鏡がある状態で眼鏡を探しているのに等しい時間を、長々と過ごしてしまった。


それも釣行時間が極僅かと限られている時に。 


心の中では春の多摩川スモールを長閑な河川敷からノンビリと狙いたい気持ちだが、朝から予定があるため、車で往復1時間半も使ってはいられない。

ただ幸い、近所ではシーバスが釣れる。

ここは実釣時間を最優先し、東京湾奥の都会に流れる近くの運河まで、チャリで向かう。 

鍵を探し回ったお陰で出遅れはしたが、その間にしっかり目覚めてから家を出た事で、安全にポイントまで辿り着く事が出来たのだと思うようにし、焦らずにロッドにラインを通しはじめる。


近くの運河でシーバスを狙いはじめた頃は、その釣り場らしからぬロケーションに、心が踊った。

抜群の足場、駅やコンビニ、コインパーキング等も近く、夜明け前からジョギングしている人がいたり、綺麗にトリミングされたワンちゃんが散歩してたり、ビルやタワマンに囲まれ夜でも明るかったりと、さすが都会の釣り場はオシャレ!とか思ったものだ。

ただ、平日昼間はほぼ渋谷にいるので、ビル群はもう嫌でも見ている。ノンビリと釣りをして過ごす時くらい、ビルに囲まれるのではなく、多摩川の河川敷のような、自然を感じる長閑なロケーションに身を置きたいなと、最近感じるようになってきたのは、都会慣れしてきたからだろうか。

多摩川に行きたい。


またソルトウォーターでの釣行後には、ルアーやタックルのメンテナンスが必要になるのも理由の一つだと思う。

元々フレッシュウォーターのみで釣りをしていた私にとって、メンテナンス作業は、たまになら好きな作業だが、丸1日釣りをした後ならまだともかく、1時間程度の短時間釣行の後にもメンテナンスを行うのは、少々面倒に感じる時がある。

以前、何も考えずに多摩川河口の汽水域で釣りをしていた時、友人から「ほっといたら錆びるで」と言われ、それ以降、釣行後は毎回、ロッド、リール、ルアー、全てのメンテナンスを行うようになった。

まあ家の近所で好きな釣りが出来るのだから、贅沢は言ってられない。むしろ有難い事。都会を流れる運河に向けて、ルアーをキャストしはじめる。


何投かして、反応が無ければ移動を繰り返す。それは平行にも、対岸にも。チャリならではの機動力をフルに活かしまくる。

ルアー等を入れたバッグはチャリのカゴに入れているので、ロッド以外は持つ必要が無く、肩もこらず、近所でのチャリ釣行は、先の事を除けば良いこと尽くめだ。


移動中にボイルを見つけ、立ち止まる。水面ではとても小さな小魚が跳ね回ってるように見える。

ボイル付近にキャストするが、無反応。

これが噂の「マイクロベイトパターン」かと、俄仕込みの数少ないシーバスゲームの知識に当て嵌め、考えてみる。

細いラインで極小サイズのルアーを投げると食って来そうな雰囲気だが、ここのポイントは水辺と足場の間に人が誤って落ちない為の柵があり、ハンドランディングは出来ない。その為、細いラインで掛けた場合には、ランディングネットが必要になってくる。

手荷物を増やすのは嫌なので、ここでは常に20lb以上のラインを巻いたベイトタックルのみで、抜き上げられるようにして来ており、フィネスでしか獲れない魚は、はじめから諦めている。

余談だが、シーバスルアーはほぼ使っていない。何個か買って試してみたが、元々持っているブラックバス用のものでも十分行けそうに感じたので、それ以降は全く買ってない。

トップウォーター、ビッグベイト、ミノー、クランク、バイブレーション、これまでシーバスを釣ったルアーは全てバス用のものだけ。

また、釣りに行く時間を選べたりもしないので、タイドグラフも自分には関係がなく、毎回バス釣りの感覚でシーバスを狙っている。

釣れているのはもうほぼマグレと言われそうだ。


この日もなんとかシーバスをキャッチするのだが、それはいつもより、より一層「釣った」と言うよりも「釣れた」と言う1匹だった。


スローシンキングのミノーをキャスト。フォール中からスーッとラインが横に走り出す。

アタリは感じ取れなかったのでボラスレかと思い、アワセを入れずに、徐々にラインを張って聞いてみると、既に向こう合わせ済みで首振りをしている。

ヤバイ、これ喰ってる!と、急遽ロッドを曲げて浮かせてくると豪快なエラ洗い。

足元まで寄せて確認すると、ルアーをガッツリ咥えていたので、抜き上げて無事にキャッチ。

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その他、巻きで喰わせられた魚もいたが、尽くバラしてしまい、キャッチ出来たのは結局この1匹となった。

太陽が昇り始め明るくなると、チェイスを確認出来ることもあったが、喰わせられず、タイムアップ。

帰宅直後にはタックルのメンテナンスを行い、その後一瞬だけ眠りに落ち、また何事も無かったかのように、その日 私の休日ははじまった。



夜明け前の東京湾奥シーバス  完