こんにちは。奈良田隆です。
今回はエクアドルの「キトの市街」について書いていきたいと思います。

 



エクアドルのキトは赤道に最も近い首都として知られており、キトの市街は標高2,850メートルに建設されました。
そして1978年、世界遺産に登録されました。

キトの市街は16世紀に造られ、フランシスコ会、イエズス会など様々なキリスト教の宗派が南米大陸の布教拠点としていました。
そのため、ルネサンス様式やバロック様式といった多様な建築様式の教会や修道院が建てられ、キトは「アメリカ大陸の修道院」という異名があります。

ラ・コンパーニア聖堂は、1605年に建設がスタートし、1766年に完成しました。
イタリアのバロック様式と、スペインのバロック様式を折衷したイエズス会の教会です。

重厚かつ華やかな彫刻が見どころで、外観だけでなく、内部も豪華絢爛。
エルドラドの理想郷を体現したかのような、ゴールドに光り輝く祭壇に目を奪われることでしょう。

堂内全体で、実に7トンもの金箔が使用されているのだとか。
めちゃくちゃ豪華ですね…!
黄金の聖堂は、キリスト教の歴史的建造物の中でもひときわ輝いている観光スポットです。

サン・フランシスコ教会・修道院は、ラ・コンパーニア聖堂の西にあります。
1535年に建てられた、南米大陸最古の現存するカトリック施設とのこと。
他を圧倒するオーラを放つ修道院は、南米で最も威厳のある教会建築と言われています。

修道院にはインディオのための神学と美術学校が付属しており、ここから「キト派」と呼ばれる南米の大きな芸術潮流が誕生しました。
聖堂に安置されている十二使徒像は、インディオ出身の彫刻家・カスピカラが作ったものです。

サン・フランシスコ教会・修道院は、建築物としてだけでなく、キトや南アメリカ全体の宗教史・芸術史においても価値のある重要なスポットです。

大聖堂は、キト旧市街の中心部にある独立広場の周りに、大統領宮殿や市庁舎とともに建ち並んでいます。
前述の2つの教会と比較すると質素な外観ですが、1572年に建設されて以来3回も大地震に見舞われ、だんだんと規模が縮小されていったそうです。

しかし、内部の装飾の美しさは、ラ・コンパーニア聖堂にも負けずとも劣りません。
大祭壇ではカスピカラの彫刻も見られます。
また、エクアドルの初代大統領や、キトをスペイン軍から解放したアントニオ・ホセ・デ・スクレの棺が納められていることから、国民にとって重要な意味を持つ場所です。

大聖堂前の独立広場には常に人がたくさんいるそう。
碁盤の目のような旧市街で迷ったら、まずは大聖堂と独立広場を目指すといいでしょう。