こんにちは。奈良田隆です。
今回は韓国の「石窟庵と仏国寺(ソックラムとプルグクサ)」について書いていこうかなと思います。



石窟庵と仏国寺は韓国の慶州市南部の吐含山(トハムサン)という山の中にあります。
1995年に世界遺産に登録されました。

毎年秋になると山が色づき、美しい紅葉に彩られるため、多くの観光客が訪れる人気の高い観光地です。
桜の季節もおすすめとのこと。

石窟庵と仏国寺は新羅を語る上では欠かせない歴史資料だそうです。
石窟庵は751年に、当時の宰相・金大城(キム・デソン)によって建てられました。
彼の両親のために作ったもので、丸いドーム状に積み上げた花崗岩に土を被せているのが特徴。
室内はさながら洞窟で、本尊が祀られています。

仏国寺は、仏の国を現世に再現した、曹渓宗のお寺です。
一柱門(イルチュムン)からはじまり、大雄殿(テウンジョン)、極楽殿といった境内の建物には全て仏教の教えが表現されているそう。

2つはすぐそばにありながら、異なる世界観を持っている世界遺産です。

釈迦如来像は、石窟庵のドーム型の空間に安置されています。
石造りの室内に入ると、神像のレリーフが見られます。

現在は前室の前にガラスが貼られているためそれ以上は進めませんが、ガラス越しに見える穏やかな表情と柔らかい微笑みをたたえる釈迦像はぜひ見たいところ。
きっと心が和むことでしょう。

像はちょうど夏至と冬至の朝日が当たるような位置にあるそう。
額に埋め込まれた宝石が洞窟内に差し込んだ朝日に輝く様子はあまりにも気高く、厳かな美しさに満ちています。

また、石窟庵は仏国寺からさらに登った山の頂に位置するため、晴れた日には慶州全体を一望できます。
有名な日の出スポットでもあるため、この絶景を楽しみに訪れる人も多いのだとか。
駐車場から山の景色を眺めながらゆっくりと道を歩くのがおすすめです。

仏国寺は、7つの国宝を有する貴重な文化財です。
一柱門を抜けて天王門(チョナンムン)へ行けば、迫力ある四天王が迎えてくれます。

紫霞門(チャハムン)へと続く青雲橋(チョンウンギョ)と白雲橋(ペグンギョ)が、特に仏国寺の国宝として有名です。
この橋には、彼岸世界に渡るという意味が込められているそう。
紫霞門から眺める紅葉は一見の価値ありなので、ぜひ見頃に行きたいですね。

先に進むと大雄殿があり、立派な多宝塔(タボタプ)と釈迦塔(ソッカタプ)がそびえ立っています。
美しい木造建築で、これらも貴重な国宝です。

韓国を代表する寺院で新羅時代最高峰の仏教芸術を堪能してみてはいかがでしょうか。