こんにちは。奈良田隆です。
今回はオーストリアの「ザルツカンマーグート地方のハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観」について書いていきたいと思います。

 



ザルツカンマーグート地方は、オーストリアの中央部にあります。
ザルツカンマーグート地方のハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観は1997年に世界遺産に登録されました。

オーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が別荘を建て、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地にもなった名勝地です。

先史時代から岩塩の採掘が活発に行われており、ザルツカンマーグート(塩の御料地)の名の通り、オーストリア帝国の直轄地だったそう。
また、ハルシュタットのハルは塩を意味します。

ハルシュタット湖とダッハシュタイン山塊に囲まれた塩の町には、2500年以上も前の岩塩抗があり、世界で最も古いと言われています。
現在でも岩塩抗では塩の採掘が行われているそうです。

1846年に、ハルシュタット岩塩抗の近くで古代墓地が見つかりました。
そこから紀元前1200年~紀元前500年頃の青銅器や鉄器が出土しています。
高度な文化が栄えていたということですね。

岩塩はかつて「白い黄金」と言われるほど価値が高く、その富により、山と湖に溶け込む町並みが保たれてきたそう。
山に囲まれた陸の孤島でしたが、19世紀に道路や鉄道が開通すると、詩人などたくさんの芸術家が訪れるようになります。

現在は観光地としても有名な場所になりました。
町は美しい真珠に例えられるほどで、「世界の湖畔で最も美しい」と称えられています。

現地では、岩塩抗を巡るツアー、ハルシュタットの息をのむような景観を楽しむプライベートツアーなどがあるようです。
ほかにも、ザルツブルクのオリジナルサウンドオブミュージックツアーといった映画のロケ地を回るツアー、モーツァルトディナーコンサートなどオーストリアらしいツアーもあるみたいですね。

ここに住まう人々は塩の採掘とともに自然景観を維持しながら暮らしてきました。
建築や芸術のみならず、様々な面で独特の景観が今でも見られる点が人気を集めている所以でしょう。

ぜひ映画を見て予習してから訪れたい地ですね。
一年中雨量が多いようですが、ベストシーズンは夏とのこと。
冬もクリスマスマーケットなどが開催され、夏とは異なった幻想的な世界を楽しめるためおすすめのようです。