こんにちは。奈良田隆です。
今回はモロッコの「アイット・ベン・ハドゥの集落」について書いていこうと思います。

 



アイット・ベン・ハドゥは、モロッコの都市ワルザザート近郊、アトラス山脈の南麓に位置する要塞集落です。
1987年に世界遺産に登録されました。

11世紀頃から陸上交易ルート上の街として栄えましたが、その土地柄、盗賊に襲われることもしばしば。
そこで有力豪族のハドゥー一族が、集落全体を要塞化して備えたのが始まりだと言われています。

城塞化した集落はカスバと呼ばれ、特にアイット・ベン・ハドゥのカスバは保存状態が良好でした。
モロッコで一番美しい村とも言われ、「ソドムとゴモラ」「ハムナプトラ」「グラティエーター」など数々の映画のロケ地になり、人気の観光スポットとなっています。

集落には敵の侵入を防ぐために様々な工夫がなされていました。
村の手前にある小川を渡ると、大きな門や高い城壁が姿を現します。
門は使われておらず、いつも閉じているので脇から集落に入ります。
城壁の向こうには複数の塔があり、上方には銃眼が開いているのだとか。

アイット・ベン・ハドゥの集落は、敵の侵入を最小限にするため、入口が1つしかないというのも特徴です。
集落内には細い小道がたくさんあり、まるで迷路のよう。
建物を複雑に組み合わせて狭い迷路を作り、敵を迷わせるとともに、1人ずつしか通れないように工夫されているそうです。

要塞化された村はクサルと呼ばれ、迷路のような村も観光名所となっています。
カフェやお土産屋さんもあるので、迷路に迷って疲れたら一息つくもの良いでしょう。

集落の頂上には、籠城に備えて食糧庫が供えられています。
見張り台も兼ねており、万が一の時には村人たちが立てこもれるようになっているのだとか。

今は城壁と塔の一部が残っているだけですが、ここからはアイット・ベン・ハドゥの集落や対岸も町場などを一望できます。

集落はフォトジェニックなシーンがたくさんで、題材に困ることはありません。
しかし、城塞トップから集落を見下ろす際、昼の時間帯だと逆光になってしまうそう。
そのため、写真を撮るなら朝~午前中がおすすめだそうです。

アイット・ベン・ハドゥの村に入る時小川を渡らないといけませんが、川が増水している時もあります。
ズボンや服が濡れてしまうこともあるため、念のために着替えを持っていくと良いでしょう。
また、集落対岸の町場には大型のホテルもありますが、夜間は現在でも強盗に遭う危険性があるため、外出は避けましょう。