こんにちは。奈良田隆です。
今回はカナダの「ケベック旧市街」について書いていこうと思います。

 



ケベック旧市街は、カナダ東部・ケベック州の州都ケベック・シティーにあります。
ケベック旧市街の歴史地区は1985年に世界遺産に登録されました。

北米でただ一つの城塞都市であり、カナダの歴史がギュッと詰まった北米最古の貴重な街並みが残されています。
旧市街はアッパータウンとロウワータウンに分かれており、城壁の上からは中世ヨーロッパの情緒ある街並みが見下ろせます。

1608年、フランス人が毛皮交易所を開いたのが街の始まりとのこと。
毛皮取引の占有権を得たフランスが、植民地ヌーベル・フランスを築きました。

同時期、北米ではイギリスがオランダに代わり植民地化を進めていました。
利権や土地を巡る争いが絶えず、大きな抗争へと発展し、最終的にイギリスに軍配が上がりました。
パリ平和条約により、この地は正式にイギリスに割譲され、150年にも及ぶフランス植民地時代が幕を閉じました。
そして1867年、カナダ自治領が成立したそうです。

はじめにシタデル(城塞)を築こうとしたのはフランスだったといいます。
イギリス軍に脅かされていたヌーベル・フランスは、街を城壁で囲みます。

見晴らしの良い崖の上に大きな城塞を作る計画が立てられましたが、資金が調達できずにとん挫。
そのままフランス植民地時代が終わりました。

イギリス植民地時代、アメリカ革命軍がケベックに攻め込みます。
イギリスはアメリカの脅威から街を守るため、フランスの計画を引き継いで1820年から30年かけてシタデルを完成させたとのこと。

その後アメリカと戦うことはなく、今はカナダ陸軍の駐屯地として利用されています。
6月下旬~9月上旬の朝10時に実施されている衛兵交代は、素敵な制服姿の人気もあり、たくさんの観光客が見学に訪れています。

シャトーフロントナックは、ケベック・シティーのシンボル的な建物で、街を代表する5つ星ホテルです。
フランスのお城をイメージして作られており、その美しさから多くの観光客を集めています。

勝利のノートルダム聖堂は、1688年にロウワータウンの国王広場に建てられました。
この2年後にフランス軍が2回戦いに勝ったことを記念し、教会の名を「勝利のノートルダム聖堂」としたようです。

戦争によって一部壊されてしまいましたが、1723年に修復されて今の姿になりました。
オリジナルの石壁部分が現存する、カナダ最古の教会だそうです。
また、レオナルド・ディカプリオの主演映画「Catch me if you can」のロケ地でもあります。

カナダ国内でも異質な存在であるケベック旧市街は、フランス、イギリス、カナダを感じられる場所です。
ぜひ歴史を感じながら、ケベック旧市街を歩いてみてはいかがでしょうか。