こんにちは。奈良田隆です。
今回はマダガスカルにある「ツィンギベマラ厳正自然保護区」について書いていこうと思います。

 

 

世界遺産「ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区」は、マダガスカル島の中西部にあります。

この地は1966年にマダガスカル政府によって自然保護地域に指定されており、保護区域は南側の国立公園に指定された部分だけでも666km2ととても広大です。

 

島国として独自の文化を形成したマダガスカルでは、個性的な生き物や自然形態を目にすることができますが、ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区もそのひとつ。

 

「ツィンギ」とはマダガスカル語で「先の尖った」という意味で、その名の通り同地にはカミソリのような岩がいくつも並んでいます。

 

この変わった岩はカルスト台地を形成する石灰岩が長い年月の間に侵食を受けてできたものだと考えられているそう。岩山は中国の石林、オーストラリアのピナクルズよりも密集しています。

ツィンギでは雨が降っても尖った岩と岩との隙間に吸収されてしまうため、植物はほとんど育ちません。

 

ですがまったく植物を見かけないかと言えばそうではなく、乾燥に強い種類、たとえばバオバブなど水を蓄えられるように進化した植物はこの険しい大地にもしっかりと根差して育っています。

 

また、ツィンギ周辺のサバンナには、美しい鳴き声で知られる世界最大の原猿類「インドリ」を始め90種類を越える鳥類、キツネザル、爬虫類などの珍しい動物が実に数多く生息しています。

 

そもそもマダガスカルは8000万年以上も前にゴンドワナ大陸の移動によって誕生した島で、他の大地とは切り離された同地は独自の進化を遂げてきました。

 

同地に生息する動植物の70%が固有種であるとも言われており、他の地では目にすることのない珍しい生き物、光景が溢れています。

 

ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区もまた、そこに降り立つと、まるで別の惑星に来てしまったような不思議な感覚になること間違いなし。

とはいえ日本からマダガスカルへは、直行便はおろかマダガスカルの首都アンタナナリボへ行くにも乗り継ぎ必須と少々行きづらいため、渡航スケジュールは入念に組むことをおすすめします。

 

容易に足を運べる場所ではありませんが、その分絶景への感動もひとしお。

 

興味のある方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。