料理本の写経


最近妻(認知症初期)は、家にある「料理本」を熱心に読んでいる。そして、熱心にノートに書き写している。

 

横で見ていると、まるで写経だ。

 

 

レシピが・・・

 

 

般若心経なのだろうか・・・

 

多いときは、一日に3~4時間も。

家にコピー機があるが、いらないと言う。

手で書くのだ。一言一句。

だから、やはり写経だ。

 

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以前から妻は、今の自分ができることとして、料理(調理)を頑張っている。でも、少し様子が違う・・・、奇妙な感じがする。何かに取り憑かれたようにさえ見える。

 

想像するに・・・

妻は少し料理に不安を持っているようだ。今までは、レシピも段取りもメモや資料なしで普通にやっていた。体が覚えている順序でさらさらと。

 

それが最近、記憶が怪しくなって、自信が持てなくなって、メモや資料を見ながらでないと不安なのだろう。調理中に、これでよかったよね?とか、どうするんだっけ?とか聞いてくることが多くなった。

 

 

写経と認知症についてネットを見ていたら、脳が活性化すると書いてあった。
「手書きで文字を書く行為は、脳の前頭葉の活発化が期待できる」という研究結果は数多くあるようだ。

 

まあ、深く考えるのはよそう。

集中するのは良いこと、手書きは記憶力が高まるだろう。

まあ、見守りでいいだろう。

 

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でも、気になる。

僕が見ていないときに、一生懸命にラブレターでも書いているのではないだろうか?3時間も4時間もかけて、あの男に。

 

 

恋に憑かれた女がひとり・・・

 

妻よ、あの男は止めておけ。

遠くから見ているだけでいいのだ。

 

大谷翔平 今年も頑張れ!

 

 (朝日新聞デジタル)