認知症の告知(妻から友へ)後編

 

妻は認知症初期。

物忘れは多々あれど、迷子にもなるけれど、調子がいいと普通の会話ができます。

 

 

(前編より)

 

「Nさんに(認知症であることを)言った?」

「うん。でも・・・それが・・・」

 

少し歯切れが悪い。

でも、嬉しそうに話す妻。

 

詳しく聞いてみると、

ちょっと意外な会話だった。

 

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後編です。

妻から聞いた会話は以下の感じでした。

 

 

妻「私最近物忘れがひどくて・・・」

Nさん「私も」

 

妻「同じ話繰り返したり・・・」

Nさん「私も」

 

妻「洗濯物取り入れるの忘れたり・・・」

Nさん「私も」

 

妻「・・・」

Nさん「怒らないでよー」

 

妻「怒ってはいないけど・・・」

 

Nさん「それだけ?」

妻「えっ、ん・・・」

 

Nさん「・・・」

妻「・・・」

 

 

Nさん「遊ぼう」

妻「えっ?」

 

Nさん「一緒に遊ぼう」

妻「・・・」

 

Nさん「いっぱい一緒に遊ぼうよ」

妻「うん・・・」

 

 

Nさん「ちょっとごめんね、トイレ」

妻「うん・・・(ありがとう)」

 

ありがとうが言えたのは、Nさんが席を立ってからだったらしい。Nさんが戻ってくるまでに、妻は涙を拭いてすました顔に戻れたか否かは聞いていない。

 

 

"一緒に遊ぼう" 

何でもないような言葉に、妻は幸せを感じたと思う。

 

 

いい友だちだ

持つべきものは友