https://youtu.be/-k-8Cq6R0HU?si=bxJpB67hVvyM9HM3











『スター・トレック The Motion Picture (1979年)』
最近はただのアクション映画に成り下がった映画版スター・トレックですが、その映画版第1作に関してはSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」に対抗すべく巨額の予算とスタッフが動員された志の高いSF映画として製作されました(ちなみに科学技術顧問にアイザック・アシモフ先生がクレジットされています)。監督はノワール・ホラー・SFからミュージカルまで何でもござれの職人監督のロバート・ワイズです。
何と言ってもこの映画の素晴らしい点はそのSFマインドの高さというか先進性の高さです。つまりこの映画を一言で説明すると機械と人間が結婚して進化する話なんです。まだサイバーパンクも『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年)』も産声を上げる前ですからなんとも先進的な話です(ハーラン・エリスンは気に入らなかったみたいですけど)。孤独に宇宙を彷徨う機械が進化してAI的な自我を持ち、創造主をさがしに戻って来てその創造主と結婚して帰るというなんとも泣けるお話です(帰るというか別次元に進化するのですがそこが一体何次元になるのかは謎です)。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽とダグラス・トランブルによる光の魔術が美しく、素晴らしいです。エンタープライズ号の巨大さが良く出ていて、何故この巨大さの表現が今のCGで再現できないのかも謎です。



まだこの作品を観られてない方で今後DVD/BLでも観ようと思っている方は、ネタバレ的な話しなのでこの先は飛ばして結構です。 
この作品のストリーは、天体規模ほどもある巨大な雲状の「何か」が超高速で地球に向かっているのが発見され、その進路上で迎撃しようとした宇宙戦艦や調査船は攻撃を受け、消滅してしまう。 


天体規模ほどの謎の何かが地球に近づいてきた



人類最後の切り札は、5年間の調査飛行の後、軌道上のドックでの大改装を終えつつあったたエンタープライズで、急遽、同艦は地球を守るためにその巨大な「何か」を迎撃する任務をあたえられる。 エンタープライズは、地球までわずかの距離に接近した巨大な雲の中に「ヴィジャー」と名乗る謎の存在がいることを突き止めた。
ヴィジャーは自らを造り出した創造者(クリエイター)を捜し、一体になるのが目的だったが、地球上にいる炭素ユニット(人類)達が創造者とのコンタクトを阻んでいると判断したヴィジャーはその(人類の)抹殺を実行しようとする…



というものですが、このヴィジャー(V…ger)という謎の知的生命は、実はその昔、人類が打ち上げた無人探査機Voyagerの進化した姿であった。Voyagerは数百年にわたり星間空間を飛行しながら知識を蓄積し、人工知性へと進化し、そのルーツを求めて地球にもどって来たという筋書きなのです。 ひょっとしたら、現実のボイジャー1号、あるいは2号が数百年の後に宇宙人から付けてもらった超電子脳をもって地球に帰還するかも知れませんね。 でもその時に人類が生き残っているとしたら、人類を殲滅させてしまうような恐ろしい武器を宇宙人からオマケにもらって来てないことを祈りましょう。