〚今日の聖人たち〛(01月23日)聖母マリアの配偶者





聖母マリアと聖ヨセフの結婚を記念する祝日。
この祝日は1517年8月29日に教皇レオ10世によって受胎告知修道女会に授与された事に遡る。
やがてこの祝日は多くの修道会や教区に採用され、そしてカトリック全教会へと広まった。
しかし時間と共にこの祝日は忘れられ、現在のカトリック世界共通礼暦には載っていない。
その為に現在、この祝日は一般信徒には馴染みのないものとなっているが、今でも特に聖ヨセフに捧げられた教会や修道会などで祝われている。


 伝承

 聖母マリアが結婚適齢期に達した時(14歳)、祭司長はダビデ家の未婚男性を呼び、彼らの中から夫を選ぶようにした。
ユダヤ伝統に従い、候補者たちがアーモンドの木の枝をそれぞれ一晩、神殿に預けた。
「わたしの選んだ人のつえには、芽が出るであろう。」(「民数記」第17章5節)
翌朝、全員がまた神殿に集まると、ヨセフのアーモンドの木の枝に美しい花と葉が咲いていた。
このしるしは、ヨセフが聖母マリアの夫として相応しい事を証明した。

福音書内での記述

 「ヤコブはマリヤの夫ヨセフの父であった。このマリヤからキリストといわれるイエスがお生れになった。 」 (「マタイによる福音書」第1章16節)
この記述から、恐らくヨセフとマリアはナザレで婚約したと思われる。
 当時のユダヤの結婚は、2段階を経て行われていた。
最初の段階では、「婚約」の契約上の取り決めが行われる。
そして夫婦が互いに結婚の準備をして約1年の後、実際に夫は妻を自分の家に迎え入れ、そこで初めて二人での「結婚」生活が始まる。
結婚式は「ヨハネによる福音書」第2章1節に記されている「カナの婚礼」のように盛大な祝宴が行われていた。


 聖ヨセフの苦悩

 婚約が成立し聖ヨセフが聖母マリアの手を自らの手の上に乗せた時、限りない喜びを心の中で感じたであろう。
愛する恋人を自分の家に招き入れ、自らの収入で彼女を養い、命を懸けて彼女を守る、そんな幸せな生活がもうすでにそこまで来ている。
彼は恋人との幸せな将来の日々に心躍らせていたに違いない。
しかし聖母マリアの妊娠を知った時、聖ヨセフの苦しみは計り知れないものだった。
それでも聖母マリアの運命を聖ヨセフは少しずつ理解し、自分の責務がどれ程崇高なものであるかを知っていった。
多くの先人や聖人と同様、彼もまたこの上ない苦しみの時期を過ごさなければならなかった。
しかしこの苦しみも、やがて天使の告知により、恋人のマリアが聖霊の配偶者、神の子の母、預言のメシアだと知り完全に消え去った。
そして聖ヨセフは、守護の天使のように彼女の脇に立ち、処女の保護者として、救い主である赤ん坊の養父となった。
 これが今日、この祝日に聖ヨセフが特別に記念される理由です。
聖ヨセフが聖母マリアを受け入れることは、幸福の始まりであり、比類ない尊厳への第一歩でした。
(「聖母の結婚 1月23日」ジェームズ・J・マクガヴァン神父の要約)

 教皇ヨハネ・パウロ2世は、前任者である教皇パウロ6世の言葉を回想し続けています
「アダムとイブは世界に解き放たれた悪の源であるのに対し、ヨセフとマリアは聖性が全地に広がる頂点である。
救い主はこの処女と聖なる結合によって救いの働きを始められた。」
(「レデンプトリス・クストス」教皇ヨハネ・パウロ2世)



参考サイト:
 ・Wikipedia(Espousals of the Blessed Virgin Mary):https://



*ツィッター(X)「良き知らせ大学」様の記事より転載させていただきました!