仕事のことである。

俺の考え方が間違っているのだろうか・・・?

就く仕事就く仕事期待外れ・・・。


今度のラーメン屋もそうである。

5日で店長候補から、アルバイトに降格である。

それは、俺が仕事ができないのだから仕方ない。

しかし、48才の飲食業界未経験のおじさんが、

現役の社員や、

若い高校生のアルバイトと同じように動けるわけがない。


仕込みにしたって、ないと言っていたが、

毎日ではないにしろ、

豚の頭でスープを作る作業と、

豚の背油を煮込んで、ミキサーでゼリー状にする作業がある。

結局店長が朝早く出て行かなければならない。


夜にしたって、11時には帰れると言っていたが、

洗い物をしていたら、確実に11時は過ぎる。

俺の後をやってる人は、9時半に退勤を押さされて、

11時半まで2時間タダ働きをさせられたそうだ。


社長は経営者以前に、人間として最低の男である。


アルバイトに格下げになり、おまけに時間も削られて、

生活は非常に苦しくなる。

家賃と光熱費は払わないと・・・。

それで、果たして生活費が残るかだ。


友達いわく、すぐに仕事辞めて他の仕事探せ、

ということだ。

もちろん、俺もそれは考えている。

こっちへ出て来る時から、

ラーメン屋で半年持つかどうかは不安だった。

その場合には、当然のこととして、

他の仕事を探すことは考えていた。


ただ、なぜすぐにラーメン屋を辞めないかといえば、

それは、本部の人間が帰ってしまった後のことを考えている。

ラーメンをうまく早く作れる人間は俺以外に何人かいる。

しかし、アルバイトをまとめ、シフトを組み、

ひとつのチームとして動かしていくには、

マネジメントの経験が必要なのだ。

多分、人材紹介会社の人間は、

俺のそういうところに期待したのだろう。

ラーメン作りや洗い物、接客、仕込みなどは、

日々やっていれば自然とうまくなっていく。

ただ、店長としてひとつの店を回していくのは、

そう簡単ではないのだ。


本部の人間が帰って、最初の給料が出て、

それからでも遅くはない。

もちろん、給料に納得いかなければ、

公的機関に相談する。


なぜか、今はあまり不安がない。

連休で、体調がかなり回復したからだろう。

俺は、性格変わったなあと思う。

あれほど気の小さかった人間が、

今の状態に追い込まれながら、

ほとんど不安を感じていない。

これも、体さえ元気であれば、何でもできる、

という、自信から来るものだろう。


俺はもう、どん底を何度も見ている。

いまさら、慌てることもない。