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令和四年五月二十日 於 大阪市立平野図書館
宗匠 山村規子 執筆 松田絹代
賦何船連歌(二十周年記念連歌)
初折表
一 歌むしろ頻け文庫に夏来たる 正謹
二 青葉若葉は二十年の栄 規子
三 風薫る空に雲湧き輝きて 麻里
四 清き水面に魚跳ね上り きよの
五 沖つ船波跡残し進むらん 貴司
六 あすはとまりと浮き立つ心 まゆみ
七 山の奥晩稲守る庵訪へる月 順子
八 夜も更けゆきてそぞろ肌寒 外將
初折裏
一 秋時雨はるかなる村鹿の声 悦子
二 母の紡ぐや糸の香ゆかし 説子
三 階を渡る衣のあでやかさ 昌子
四 是非も知らざる新しき恋 美月
五 我のみを見つめよとこそわめきたれ きぬよ
六 便りはおそしこころもとなし きよの
七 いつはりの音に鳴きたるや都鳥 ともこ
八 雪績む郷を照らす月影 典央
九 陸奥の地酒飲み干す旅の果て 千恵子
十 時知らしむる古寺の鐘 令子
十一 空仰ぎもろ手を合はせ南無阿弥陀 嘉男
十二 春雨しとど世ぞうつりける 陽子
十三 流さるる憂き身を乗せむ花筏 教美
十四 霞と消ゆる定めはかなし 英子
名残表
一 山仕事峡に住まふもいつか馴れ 絹代
二 朝な夕なに浄む神棚 千恵子
三 天地と人のことわり護りあれ 磊門
四 掟を破る戦はげしく 貴司
五 勝ち負けに命惜しむな名を惜しめ まゆみ
六 語り継ぎゆくふるさとの森 昌子
七 連れそひて胸焦がれつつ蛍舟 教美
八 ゆかた姿の君うるはしく 千恵子
九 ひと夏の優しき恋を忘れ得ず ともこ
十 小径のほとりふと足をとむ きよの
十一 箱根越え古りにし標傾きて 順子
十二 すすき原より秋の風音 外將
十三 誰ぞ住むや閉ざす柴の戸させる月 きぬよ
十四 あはれを誘ふ虫だにもなし ともこ
名残裏
一 いささ川流れ流れて何処まで 陽子
二 浮き沈みして揺るる笹の葉 説子
三 真青なる空に高嶺はたぢろがず 美月
四 をさなあそびに凩の舞ふ 嘉男
五 雨もやみ里はいつしか夕暮れて 令子
六 あすこそうたへ春告げの鳥 英子
七 昔より今に伝ふる花ぞこれ 規子
八 のどけき光平野の幸 絹代
令和四年六月二十日満尾
正謹 一 外將 二 千恵子 三
規子 二 悦子 一 令子 二
麻里 一 説子 二 嘉男 二
きよの 三 昌子 二 陽子 二
貴司 二 美月 二 教美 二
まゆみ 二 きぬよ 二 英子 二
順子 二 ともこ 三 絹代 二
典央 一 磊門 一