18. 手抜きの「大きさ」

 手抜きと言うのは相手が打った手に対応しない(周辺に打たない)ことですが、打たないのに大きさが存在すると言われたら困惑するかも知れません。実は、「手抜きに勝る好手無し」と言われる位、価値の高い手抜きが沢山あります。打たない価値と言うのは、そこは相手に続けて打つことを容認する意味となり、そこは相手が二手投資した場合の利益がイコール「手抜きの大きさ」に相当します。例えば、10個の石に当たりを打たれた時に逃げずに手抜きして次に相手が取った場合、手抜きの大きさは出入り20目となります。

 手抜きの大きさは、この例の様に続けて相手に打たれることによる損失分になりますが、ポイントは「二手分」にあって、実損は半分になります。つまり、出入り20目の損失と言いますが実損は10目にしかならず、元手の割りに小さい損害です。手抜きを上手く使いこなすと、相手より大きい手を選択できるチャンスが増えることになります。