13. 切りの「大きさ」

 碁の戦いは、石の「切断」から始まり「包囲」するさせないを経て「眼形」の確保・妨害を競います。石が死ぬとか殺すとか物騒な話は、元を辿れば石を切るとか切らせない(継ぐ)から発生しています。表面的には「切りはゼロ目、ツギもゼロ目」と言われる様にどちらも地の構成にはほとんど貢献しませんが、戦いの視点では「切りとツギ」は大きな意味を持ちます。

 意味もなく石を切らせてはなりませんが、意味もなく継いでもなりません。石が切られると夫々別々に眼を確保しなければなりませんし、活きている石同士をツナイでも一手パスの価値しかありません。なるべく石は切らせない対策は大事ですが、弱気過ぎてもいけません。格言に「ノゾキにツグ馬鹿ツガヌ馬鹿」とどちらを選んでも不正解とされますが、「切れる所をノゾクのは大馬鹿」と言われ、切れる狙いがあるならしっかり準備して狙いを実現させます。