11. 消しの「大きさ」

 打込みが相手の地造りを根こそぎ妨害する手法とすると、「消し」は打ち込みが危険とか生還の見通しが立たないケースで相手の地造りの拡張・発展をある程度外側から制限する手法です。安全率が高く場合により外回りに模様が築けるなど副次的効果も狙えます。ただ、相手の地を固めて確定させる手段になりますから、怖がって戦いを避けて消しの手段ばかり選択していますと地が足らなくなる怖れはあります。

 消しは、自分のプラス狙いより相手のプラスを制限する戦法だけに大きさの判断が付きにくく、戦略的には他の狙いと重ねたり、利かし程度の軽い消し方を選ぶなど、消し単独と言うより他の狙いと重ねて使う場合が多くなります。消しは、ボウシや肩ツキ・桂馬ガケなど一応安全側から臨みますが。相手の強さ次第ではさらに外側からまとめて攻められることもあります。近年は、相手の強い方面では更に強くさせても構わないので、ツケからハネや切りなど石が接触する消しも多く採用されます。安全確認は慎重に行うと共に、拘りを持たないで次々と捨てて行く消し方を採用するなど柔らかい考え方で消しを選びます。