8. 戦いの「大きさ」

 戦わなくても石を取れることはあります。例えば、相手の石群の尻尾を切るだけで取れたり、相手が戦う前に不利を見越して見限るなどで収得出来る場合もあります。戦いにはお互いの石の命をかけた途轍もなく大きな戦いから一方だけの命(生死)が関わる戦い迄大きさはケースバイケースです。戦いの大きさは、関連する双方の石数の和の二倍に影響するだけでなく周囲の空間(ダメ)の部分も二倍(2目)に効いて来る可能性も高く、石は数個でも双方の命がかかる戦いはほぼ30目を下回ることはほぼありません。

 私の推奨格言No.1は「攻められる石を造るな」(放置しない)ですが、命を狙われると相手の石は良い処取りになるのに、攻められる方はダメ場を逃げ回ったり、眼造りなど自分の地に石を入れなければならなくなるなど惨めになります。戦いは結果もさりながら、進む方向や周辺への影響が問題になること、つまり、プロセスが大事で構想が広く大きい程副次効果も大きくなります。戦いは必ずしも勝たなければならないと決めつける必要はなく、大きな餌として負ける(取らせる)ことでより大きな戦いに勝つなど思いがけない戦い方が工夫できます。