6. 布石(定石)の大きさ

 四隅からスタートする布石の手の大きさの順は、一応、「1隅、2シマリ(カカリ)、3ヒラキ(詰め)、4トビ」と教わります。勿論、例外も多いのですが布石の大きさは定石の大きさでもあります。初手を天元とか四隅以外を選んでも価値的には出入り25目相当と見做されます。定石は、ほぼ五分の分かれになるから定石と言われるのですが、厳格には、石数の差やどちらが後手になったのかなど形や石の方向により評価は分かれます。定石を打っている間はどの手も25目(出入り)程度の価値が認められ、例えば、ツケノビ定石のノビの手の価値も25目相当と評価されます。中央に向かってノビたからと言ってそこに13目位の地が出来る保証は何もありませんが、ノビきった力が後で働く期待値が25目なのです。他の定石でも必ずしも地を確保するとは限らず厚みや模様の価値が与えた地に匹敵すれば、大きさとして五分の分れと言えます。

定石も数手で終わる小型定石から、碁盤の1/4を占める様な手数の多い大型定石迄いろいろですが、定石が一段落するまでは一手の価値はあまり変わらないと言えます。