⑩ 「割引券の詐欺」

 これは5・6年前に実体験した話ですが、ある大手のドラックストアの「割引券」を利用しようとしたら、価格が平常日より割引額以上に引き上げられておりました。割引券は買い物の1点だけに適用されますので、当然ながら顧客は単価の高いものに適用したいと思うわけですが、その対象になりそうな商品だけをお店は価格を修正していたのです。ポイント適用日の前夜に店員さんが大わらわに値札を差し替える残業をしている姿を想像すると、経営者は許せませんが、従業員が可哀そうです。一生懸命勉強して大学を出て一流企業に就職できたと張り切って仕事に励む若者が企業詐欺の片棒担ぎでは可哀そう過ぎます。企業経営者は大勢の顧客を騙す意味ではオレオレ詐欺より悪質といえます。大手の企業は名前だけで顧客に信用されるだけに、常に信頼に応えられる行動が求められます。一時は、顧客を騙せても長いスパンで見れば信用を失う損失は計り知れない大きさとなります。商いを稼業とするなら誠実さを第一にすべきと思います。