音楽会の巨匠

小澤征爾さんが旅立っていかれました

 

 

 

昨日から今日にかけての朝日新聞で

作家の村上春樹さんと

朝日編集委員の吉田純子さんが

在りし日の小澤さんについて

熱く語っておられましたので

涙ながらに

ご紹介したいと思います

 

 

 

 

村上春樹さんによると

小澤征爾さんは夜明け前の時間に

お仕事をされていたそうです

 

 

 

 

小澤さん

「僕がいちばん好きな時刻は

 夜明け前の数時間だ。みんながまだ

 寝静まっているときに、1人で譜面を

 読み込むんだ。集中して、他のどんな

 ことにも気を逸らせることなく

 ずっと深いところまで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村上春樹さん

「実を言えばぼくも小説を書くとき

 いつも夜明け前に起きて

 机に向かうようにしている。

 そして、静けさの中で原稿を

 こつこつと書き進めながら

 “今ごろは征爾さんも もう目覚めて

 集中して譜面を読み込んでいるかな”

 とよく考えた」

 

「そんな貴重な“夜明け前の同僚“が

 いまはもうこの世にいないことを

 こころから哀しく思う」

 

 

 

 

 

そして朝日編集委員の吉田さん

“小沢さんはとても涙もろい

 マエストロだった“という書き出しで

長野県松本市で開催されたフェスティバルの

楽屋での出来事を紹介しています

 

 

 

楽屋のドアがトン、トンとノックされ

小澤さんの機嫌の良い声に促されて

若い男女が恐縮しながら

入ってきた

女性が「私たちの娘です」と写真を

小澤さんに見せると

車いすに乗った笑顔の女の子が写っていた

 

小澤さんは「ああ、この子!

うんうん覚えてる」と破顔一笑

 

 

やや明るくなった空気を気遣うような口調で

女性が「亡くなったんです」と言うと

小澤さん「ええっ!」

 

 

小澤さんの顔がすぐ

ぐしゃぐしゃになり

涙がぽろぽろとこぼれた

「クーッ」と声が漏れた

 

 

「この子は本当に小澤さんのファンでした

 小澤さんの演奏を聴くことに

 生かされていたので

 ひと言御礼が言いたくて・・」

 

2人が語るほどに小澤さんの嗚咽が

大きくなっていく・・

 

 

ひとりの小さなファンが亡くなることに

ここまで大きく心を揺さぶられずに

いられない

それが小澤さんという人が音楽の世界に

生きることを運命づけられた理由の核心

だったのではないかと感じずにいられなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どちらも

小澤さんの足跡をたどる

銘文ですよね

 

 

 

私は音楽のことには疎いですが

こんな話を聞いたことがあります

 

 

 

小澤さん

演奏を終えるたびに

靴底が汗でビショビショに

なるんだそうです

 

 

 

すさまじいまでの

“世界のオザワ”でしたね