時あたかも、北陸新幹線敦賀開業するこの春、北陸応援割を使って、石川、富山、福井、新潟各県へ向かって旅行する人で多くの旅館が予約客でいっぱいだとか。
数日前のマスコミ報道の記事によれば、
「能登半島地震の影響を受けた観光業を支援するための北陸応援割の予約受け付けが3月8日始まりました。地震によってキャンセルが相次いだ〇〇県〇〇市の旅館からは感謝の声が聞かれました。一方で、この北陸応援割によって県内に電話が集中し、通信が制御される事態になりました。」と書かれていました。
宿泊、旅行費用が最大半額補助されるとあれば、皆が飛びつく気持ちはよくわかります。
また、たしかに、大きな損傷がなく営業可能な旅館、ホテルが、風評被害により予約のキャンセルが相次いだということもあるので、観光業を支援するこうした措置は喜ばしいことです。
しかし、何となく釈然としないものが残ります。
このような地震による大変な被害が生じたときに、観光業のダメージを少しでも和らげるために真っ先に取り組まれるべきだった方策は、「営業可能な宿泊施設等についての正しい情報を提供することにより風評被害にならないよう」に努力することだったのではないでしょうか。
私たちは、いつまで風評被害を止めることができないでいるのか、全く過去の反省から教訓を得られていないのを残念に思います。
また、それなりの旅行優遇措置は、もっと素早く発災直後から取られるべきではなかったのではないでしょうか?
打ち上げ花火のようではなく、「広く、細く、長い応援策であればよかったのに」とおもいます。
2月に、海里で鶴岡に旅行した時に後ろめたさが少々あったりもしましたから。
「旅行により地元の経済が潤えば、被災地のお役に立られるかな」というお気持ちのある人達には、最大3万円もの補助がなくても、少しのインセンティブでもあれば、北陸旅行を選ぶ人は少なくないと、私は日本人の良心を信じています。
さらに私が釈然としないのは、家や建物を失い、仕事がなくなってしまった奥能登の方々には恩恵が得られないことです。
今必要なのは、直接届く復興費用の増額であり、復興がなされた時期にこそ、大規模な応援旅行割を実施すべきであると思えてなりません。
今回の北陸応援割が、国土交通省の所管で、復興費用の支出は別の省庁の仕事であること。
直接観光業を補助するよりも、応援旅行割の方が大きな経済効果として跳ね返ってくるとか、政策議論があることをわかっていても、やはり何となくモヤモヤするものが残ります。
しかし、運良く「応援割」を使えて旅行する人には、楽しい旅行になるといいですね。
私も、また夏にでも北陸を旅行したいと思っています。