北陸新幹線は、石川県側から敦賀までの開通が近づいていますが、それから先、京都、大阪までの延伸の目処が立たないようです。
そのような中、旧聞ですが、北陸新幹線の敦賀以西について、「米原ルートを議論する意味がある」と、自民党石川県連の最高顧問が発言したそうです。
歴史を振り返ると、長浜〜敦賀間が開通したのは、極めて早く、1879年(明治7年)のことでした。
すてに関ヶ原から長浜まで開通していた東海道本線の支線のような格好だったと記憶しています。
このような歴史的経緯を思い起こし、敦賀〜米原間を東海道新幹線の延伸という形で、もしも、JR東海が名乗りをあげたら…。(勝手な想像です)
そのような状況になったら、いったい、JR西日本が所有する北陸本線(在来線)には、どのような未来があるのか?
いろいろな想像が膨らみました。
データの裏付けも全くなく、一鉄道ファンの戯言です。
とは言え、何も考えず、お告げのように閃いたものでもありません。
昨年、2022年3月5日から1泊で静岡県伊豆半島、伊東・伊豆高原に旅行しました。
その折りのことです。
春の到来が近い、爽やかに晴れ上がった2日間、私にも、伊豆半島への楽しい鉄道旅になりました。
伊豆高原駅で、年齢、性別を問わず、リゾート21、黒船電車での鉄道旅を楽しむ旅行者を見ていて、「北陸本線在来線を使った大阪〜福井、石川各県の都市間輸送、観光客輸送の継続を求めて、もう少し議論を煮詰めてもいいのでは?」と思いました。
東京〜熱海間は、JR東海の東海道新幹線と在来線である東海道本線が並行して走っています。
新幹線がひっきりなしに走っている中、JR東日本は意気消沈しているかと思えば、そんなことはない。伊豆急とタッグを組み、負けじと、特急踊り子号を定期列車として上下各5本走らせています。
新幹線が建設されると並行在来線は廃止か、第三セクター化される、というのが昨今のお約束となっています。
これをこの区間にも当てはめれば、東京〜熱海間も並行在来線として居住いの見直しを求められる?
もちろん、そうした議論がされた、という事実を私は知り得ません。
東海道本線、東京〜熱海間の第三セクター化など、夢にも考えられませんものね。
そこで、JR東日本ですが、かつての157系や183系による特急あまぎ号を廃止にする、どころか、185系に置き換えて、名称も「踊り子」に改称、さらに、「スーパービュー踊り子号」(251系)運転開始、「マリンエクスプレス踊り子号」(E259系)運転開始、そして、2020年3月には、E261系「サフィール踊り子」を投入するなど、脈々と在来線による観光客の掘り起こしを続けています。
もちろん、それには、リゾート21など、魅力ある鉄道旅への伊豆急行側の努力もあります。
そして、今も昔も、伊豆半島への旅行者の多くは、熱海で新幹線乗り継ぎではなく、直通の踊り子号を選択します。
伊豆急行線内を工夫を凝らし豪華な車両が投入され、鉄道旅を楽しいものにさせてくれているからに他なりません。
それと、在来線ならではの乗り換えなしの直通でドアツウドアで運んでくれることが大きなメリットです。
また、JR東海とJR東日本との競争原理が働いていることも、特急踊り子が今も残存している理由の一つに挙げられるのではないかと思います。
ここで、東京〜伊東〜伊豆急下田間と大阪〜敦賀〜福井間(湖西線経由)の距離と所要時間の比較をします。
東京〜伊東 121.5km,1時間36分(サフィール踊り子1号)
大阪〜敦賀 136.9km,1時間17分(サンダーバード33号)
東京〜伊豆急下田 167.2km,2時間29分(同)
大阪〜福井 190.9km,1時間49分
サンダーバードの速さが際立っています。
サンダーバードのこの所要時間であれば、そして、そこに競争原理が入れば、JR西日本も、JR東日本の踊り子号の例のように、在来線特急の存続させる方向で動くかもしれない。
加えて一言。
ただ存続させるではダメで、輸送需要拡大を取りに行くような積極経営が不可欠かと思います。
それにしても、これまで、在来線の強みを生かすことができず、全国ズタズタに寸断された鉄道網は、もう終わりにしてほしいものです。
「線路は続くよどこまでも」の歌のように、多くの路線がつながる在来線だからこそ、たとえば関空発加賀温泉行きとか、奈良発福井行きとかのダイヤも組むことができます。
それでは、JR東海が米原〜敦賀間を建設するメリットはどこにあるか、現実にはとても難しそうです。
少しだけ考えてみました。
米原駅付近でデルタ線をつくり、名古屋、しいては東京方面からの北陸への乗客を取り戻すことができる、というのではどうでしょうか。
(そのような計画は、巨額な新幹線建設費がペイしないと、瞬時に打ち消されそうですが)
以上、繰り返しになりますが、経済効果、輸送需要、損益分析等々、全く鉄道経営の視点からの裏付けのない話ですので、ほんの戯言です。
お許しください。
じつは、昨日、昨年夏に公開された映画「アキラとあきら」をTV(アマゾンプライム)で観ました。
自分と別世界のメガバンクや船会社のビジネスエリートたちのお話ですが、とくに竹内涼真の山崎瑛は、こういう人でありたいと思える、ほんとうに魅力的な好男子です。横浜流星の彬も良かったですが。
映画は、出演者みな懸命に生きていて、極悪な奴は出てこない。
また、ラブシーンもグロテスクなシーンない。
良い映画だなと思いました。
それで、この記事をブログに上げる気になった、ということもあります。
しかし、問題になった不良債権化するリゾートホテルの所在地が実在の伊豆急下田!というのは、宜しかったのでしょうか?
まさか、風評被害はないと思いますし、下田には、ますますどっと大勢の観光客が押し寄せるリゾート地になってほしいものです。