西九州旅行3日目雑記 | 模工少年の心

あっという間に8月も終わってしまいました。

私にとって、この夏最大のイベントだった佐賀県を中心にした西九州旅行の思い出を書き留めておきたいと思います。

 

◯佐賀駅から筑後吉井駅、原鶴温泉へ

9月23日の西九週新幹線(武雄温泉-長崎)開業が1カ月後に迫る中、ニュースではJR長崎駅などの期待ぶりが伝えられ、また、「開業初日の一番列車の指定席券がされ、争奪戦となりそう」ということを知りました。

 

一番列車に乗りたいという思いを持つ人がそれだけ多いということは、良いことだし、それが一過性のブームで終わって欲しくないと思います。

 

今回、長崎県には足を伸ばしていないのですが線形の良い佐賀〜鳥栖間を普通列車でも時速120km走行する心地よさを感じました。

西九州新幹線が全線開通し博多と結ばれても、幹線である長崎本線のこの区間に在来線特急が存続することを願うばかりです。



私は、幹線の複線線路が上下線で

離れていると、それが好きでワクワクします。

先頭車両の前部に立っていましてので、列車だけでなく線路も撮っておきました。

 

分岐駅の鳥栖駅のホームに立っていると、長崎本線も含めて、鹿児島本線から枝分かれして九州各地へと行き来する列車が多数見られます。

在来線の存在感を感じさせられました。


久留米駅で、久大本線の気動車に乗り換えると、しばらくは久留米市街地を通り抜けますが、次第に筑後平野の田畑が広がります。

途中、それまで晴れていたのに突然灰色の空が一面に広がり、強い雨も降ってきました。

 

列車が筑後吉井駅に着く頃には雨は止んでいて、駅前に旅館の送迎バスが停まっていました。

旅館までの車中で、運転手の男性が「線状降水帯」という気象用語が初めて使われたのが数年前のこの地方の大雨であったことを教えてくれました。


駅から旅館までの道沿いの商店の街並みが古い木造の商家の佇まいをそのままにしたものが多く、そのことについても運転手からから語っていただき、かつて参勤交代のルートとして栄えていて、今もその歴史を残そうとしてしていることを知りました。

関東地方に住む私には、全く知らないことでした。


原鶴温泉は、筑後川に沿って10数軒の旅館が点在します。

私が泊まった「泰泉閣」もその一つで、部屋の窓からはゆったり流れる筑後川とその奥の筑後山地の山並みが見えて日本的な風景が落ち着きます。

花火大会も終わり、水不足で名物の鵜飼も中止と、街はひっそりとしていました。

それでも、外国人留学生の丁寧な接待(中居さんやボーイをされていました)と等身大の河童の女神が据えられ、昭和の不思議な香りのするジャングル風呂、落ち着いた個室での海、山の幸には満足しました。

◯筑後吉井駅から久留米を通り筑後柳川を観光する

乗車してきた久大本線の普通列車の終点が、筑後吉井駅の一つ先の「うきは」駅ですが、市の中心駅は吉井駅の方、また、久留米寄りの「田主丸」駅は久留米市内となっていますが、鉄道駅としての存在感は、3駅とも同程度のようです。



チェックアウト後の送迎も筑後吉井駅まで送っていただき、久留米駅まで。そこから西鉄久留米駅までは、2km以上も離れていて、ここでもタクシーて移動しました。

おり良く、大牟田行きの特急がホームに滑り込んできました。

 

天神から太宰府までしか乗車したことがなく初乗車区間であるため、好奇心をもって先頭車両に陣取り、前面展望を楽しみました。


西鉄柳川駅までの乗車ですが、西鉄特急の俊速ぶりと複線区間と単線区間があるのに、上手に待ち合わせ(乗り換え、上り列車の待避)をしていて、ダイヤ設定の上手さを感じました。

 

西鉄柳川駅を降り、川下りのことを尋ねようと案内所に入るなり、渡船場までのマイクロバスの発車時刻が迫っているとのことで、急ぎバスへと飛び込まみました。

 

川下りは、伝統的な棹で操作する屋根のない10人乗ると満杯となる小さな舟です。

柳川名物の紹介をしながら、ゆっくりと進みます。

1時少しの船遊びの後は、下船後すぐに、ランチに鰻重を食べ、急ぎ、西鉄柳川駅、西鉄久留米駅、そして、JR久留米駅へと、往きと同じルートで戻りました。


久留米の街は、その日、花火大会の開催が予定されていて、きものを着た若い人が行き交い華やいだ様子です。

それと知って、夜空に広がる花火も見てみたいとは思いつつ、当初の予定貫徹で心が揺れることはありませんでした。

 

◯SL人吉号ら

SL人吉号は、事前に時刻表、でダイヤを確認して、鳥栖駅で熊本に帰る下り列車に出会えるよう行程を進めてきました。

 

7月号の時刻表では、鳥栖駅には13時24分に到着していて、15時27分の折り返し出発時刻まで、仮のねぐらで休息を取っている頃だろうと思っていたところ、久留米駅のホームのアナウンスでは、まもなくSL到着のアナウンスが流れてきます。

 

もう。14時50分過ぎです。呆気に取られていると、コンクリートの殺風景なホームに、8620が牽引するひとよし号が静かに入線してきました。

 



こんなことなら、ここから鳥栖まで乗車することもできたのに。

また、西鉄で大牟田に抜けて大牟田から乗車することもできたかもしれないと思いましたが後の祭り。

 

それで、予定通り、人吉号の前に発車する上り定期列車に乗って鳥栖駅まで行き、そこでひとよし号の到着を待つことにしました。

鳥栖駅には、20人ほどのファンが撮影のため待ち構えていました。

1日も早い復興を待つ肥薩線への思いを込め「ひとよし」を冠したこの列車の運行にあたる九州旅客鉄道の頑張りに敬意を感じつつ、鳥栖駅の到着、そして熊本に戻る列車の撮影をこの旅のラストにして、博多に移動、ホテルで1泊して翌日ゆっくり帰京しました。