中村精密の1Cタンク機関車を大人しい形態に改造する(2)アルモデルのDLキットの利用 | 模工少年の心

兵庫県伊丹市にある森製作所は、1950年代、蒸気機関車の台枠や車輪などを流用し、台枠の上にディーゼルエンジンや運転室などを載せてディーゼル機関車に改造するという手法を用い、主に地方私鉄に小型ディーゼル機関車を数多く納入しました。(参考 Wikipedia)

もともと寿命の長い鉄道車両、都落ちしても、各地で使いやすいように改造され、新たな生命を吹き込まれ、元気に活躍している姿を見られることが、もしかしたら、鉄道趣味の醍醐味の一つかもしれません。

 

SL→DL改造は、その究極の発想を見てとれるようで、趣味的にも興味深く捉えられるのではないでしょうか。

 

「森製作所の機関車たち」(名取 紀之著)には、

「戦後、燃料事情が逼迫する中で、蒸気機関車のディーゼル機関車化改造という奇想天外な手法」と評されています。

もったいない精神でここまでやってしまうのは、まさに驚きです。

今、中村精密の1Cタンク機関車をC型に改造、下回りを新規製作することを目論んでいます。

 

しかし、動輪を手に入れることすら出来ない時代に、すでに、なってしまっているのが現状です。

台車枠やロッド類を新製することも、とんでもなく大変です。

 

ここは思案のしどころで、下回りを新製するのではなく、既製品の中から使えるものを探しました。

 

ありました!

 

アルモデルのロッド式DLキットの活用です。

「HO/16番 加藤製作所25トンDL(C型ロッド式)」製品番号C1035。

 

森製作所でやっていたSL→DL改造の逆で、DL→SL改造を考えました。

 

SLにはDLにはないメインロッド、シリンダーブロックなど、別途、用意しなければならないパーツが必要となります。

 

完成出来るか、最後まで見通しは立たないまま、キットを買ってしまいました…。

主台枠は基本的に、いじらない。

動力化が容易にできることが、アルモデルのキットを使うメリットですから、ボディーの方を下回りに合わせるのは自然の流れです。

 

そのようにして、ここ数日、少しずつ作ってきました。

折り曲げるだけで主台枠がすぐに出来上がり、というのは感動です!

板厚が0.5tと薄い気もしますが、車軸には、軸受メタルが組み込まれていますので、問題ありません。

 

折り曲げた部分には、主台枠に限らず、軽くハンダを流しておきました。

主台枠は、前後の延長部分をt0.5mmの真鍮板(0.4mm真鍮線で裏打ち)で作り、ハンダ付けしました。

床板も、長さが足りません。

キットでは、前後の端梁は、床板を折り曲げるようになっているのですが、折り曲げずに床板延長部分とします。

直角を出して折り曲げられるよう、折り曲げ線には溝が掘られています。

そのままでは、グラグラしますので、φ0.6mm真鍮線をハンダ付けしておきました。

これだけで、実用強度が得られたのは意外でしたが、結果OKです。

 

延長部分の床板のサイド(折り曲げたところ)の厚みがありませので、何とかしなければなりません。

 

フロントデッキ端梁とキャブ後部の後梁は、新製します。

前後、同じものにしました。

主台枠組み立て用スペーサー兼カプラー台パーツを0.8mm真鍮帯板から切り出します。 

所定の位置にハンダ付けするのが少々厄介でした。

ボイラー前部の保持台(?)は、4種類作り、やや大きめなものを採用することにしました。

 

初めに作った小ぶりなものは、形態的には私の好みなのですが、床板に開けられた孔がカバーできず、目立ってしまいます。

 

この保持台の中をボイラーからシリンダーへ蒸気が運ばれる管が通っています。

 

国鉄制式機B20形式だと、ボイラーから床下へ露出した管が通っています。

 

管の形状がよくわかりませんが、採用した末広がりのものであれば、管のことについて、疑問を持たずに済ませられます。

 

とりあえず、現在の進行状況、ここまで出来ました。


ここから先、シリンダーの取り付け等、完成に持ち込めるか、勝負どころです。

(続く)